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リガンド結合部位の変化によってGPCRシグナル伝達がアロステリックに調節され、機能的選択性が生じる機構の構造的基礎
A structural basis for how ligand binding site changes can allosterically regulate GPCR signaling and engender functional selectivity
Sci. Signal. 04 Feb 2020:
Vol. 13, Issue 617, eaaw5885
DOI: 10.1126/scisignal.aaw5885
Marta Sanchez-Soto1, Ravi Kumar Verma2, Blair K. A. Willette1, Elizabeth C. Gonye1, Annah M. Moore1, Amy E. Moritz1, Comfort A. Boateng3, Hideaki Yano2, R. Benjamin Free1, Lei Shi2,*, and David R. Sibley1,*
- 1 Molecular Neuropharmacology Section, NINDS, NIH, 35 Convent Drive, Room 3A201, Bethesda, MD 20892, USA.
- 2 Computational Chemistry and Molecular Biophysics Unit, NIDA, NIH, TRIAD Technology Center, 333 Cassell Drive, Room 1121, Baltimore, MD 21224, USA.
- 3 Basic Pharmaceutical Sciences, High Point University, One University Parkway, High Point, NC 27268, USA.
* Corresponding author. Email: sibleyd@ninds.nih.gov (D.R.S.); lei.shi2@nih.gov (L.S.)
要約
シグナル伝達バイアスとは、一部のアゴニストが、Gタンパク質共役受容体(GPCR)シグナル伝達のある1つの細胞内経路を他より選択的に刺激する傾向のことである。われわれは以前に、β-アレスチン動員の障害をもたらす、D2ドパミン受容体(D2R)のGタンパク質にバイアスされたアゴニストを同定した。このシグナル伝達バイアスは、リガンドと、D2Rの第2細胞外ループと第5膜貫通領域の界面にある疎水性ポケットとの独特の相互作用によって生じると予測された。今回われわれは、このポケット内の残基Phe189(Ballesteros-Weinsteinナンバリングを用いると5.38の位置)が、受容体のβ-アレスチンとの相互作用を調節するマイクロスイッチとして機能することを示した。この残基は、クラスA GPCRのあいだで比較的保存されており、その他のGPCR内の類似する変異によって、同様にβ-アレスチン動員が障害された一方、Gタンパク質シグナル伝達は維持された。このシグナル伝達バイアスの機構を検討するために、β2-アドレナリン受容体(β2R)の活性状態構造を用いて、フルβ2RアゴニストのBI-167107と複合体を形成したβ2R-WTおよびβ2R-Y1995.38Aモデルを構築し、分子動力学シミュレーションを行った。これらの解析によって、β2R-Y1995.38Aのコンホメーション再編成が、細胞外リガンド結合部位から細胞内表面に伝播し、β2R-Y1995.38Aの第2細胞内ループの配向を変化させ、β-アレスチンとの相互作用に影響を及ぼすと予測されることが明らかになった。われわれの結果は、リガンド結合部位の変化がGPCRとトランスデューサーの相互作用にアロステリックに影響を及ぼし、バイアスされたシグナル伝達を引き起こす機構の構造的基礎を示している。
Citation: M. Sanchez-Soto, R. K. Verma, B. K. A. Willette, E. C. Gonye, A. M. Moore, A. E. Moritz, C. A. Boateng, H. Yano, R. B. Free, L. Shi, D. R. Sibley, A structural basis for how ligand binding site changes can allosterically regulate GPCR signaling and engender functional selectivity. Sci. Signal. 13, eaaw5885 (2020)