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ストレス顆粒は細胞膜で代謝ストレスを感知し、活性型Pkc1の貯蔵によって回復を増強する

Stress granules sense metabolic stress at the plasma membrane and potentiate recovery by storing active Pkc1

Research Article

Sci. Signal. 17 Mar 2020:
Vol. 13, Issue 623, eaaz6339
DOI: 10.1126/scisignal.aaz6339

Triana Amen1 and Daniel Kaganovich1,2,*

  1. 1 Department of Experimental Neurodegeneration, University Medical Center Göttingen, Göttingen, Germany.
  2. 2 1Base Pharmaceuticals, Boston, MA 02129, USA.

* Corresponding author. Email: daniel.kaganovich@med.uni-goettingen.de

要約

細胞と外部環境のあいだの物理的障壁として、細胞膜はストレスに対する最初の応答者となる好位置にある。膜はまた、熱や力、浸透圧、脂質欠乏、飢餓などの多くの種類の撹乱にきわめて脆弱である。栄養ストレスによって引き起こされる出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の細胞膜の構造的変化が、細胞内の調節ネットワークに伝達されうるかどうかを検討するために、われわれは、ストレス顆粒(SG)と相互作用するタンパク質を同定した。SGは、タンパク質と、細胞がストレスを受けたときに形成される非翻訳RNAで構成される細胞内構造である。SGタンパク質は、特徴的な脂質およびタンパク質組成をもつ表層下の膜構造であるエイソソーム(eisosome)の構成成分と、相互作用することがわかった。エイソソームタンパク質の飢餓誘発性リン酸化に応答して、エイソソームはクラスター化し、活性型Pkc1などのSG成分を動員した。エイソソームが欠損するとSG形成が障害され、結果として栄養欠乏からの回復が遅延した。したがって、エイソソームのクラスター化は、ストレスに応答したドメイン間コミュニケーションの一例であり、これまで知られていなかったSG調節機構を明らかにしている。

Citation: T. Amen, D. Kaganovich, Stress granules sense metabolic stress at the plasma membrane and potentiate recovery by storing active Pkc1. Sci. Signal. 13, eaaz6339 (2020).

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