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乳がん幹様細胞における多能性因子によるSMAR1抑制とその結果生じる化学療法抵抗性はアスピリンによって打ち消される

SMAR1 repression by pluripotency factors and consequent chemoresistance in breast cancer stem-like cells is reversed by aspirin

Research Article

Sci. Signal. 20 Oct 2020:
Vol. 13, Issue 654, eaay6077
DOI: 10.1126/scisignal.aay6077

Apoorva Bhattacharya1, Shravanti Mukherjee1, Poulami Khan1, Shruti Banerjee1, Apratim Dutta1, Nilanjan Banerjee2, Debomita Sengupta1, Udit Basak1, Sourio Chakraborty1, Abhishek Dutta1, Samit Chattopadhyay3, Kuladip Jana1, Diptendra K. Sarkar4, Subhrangsu Chatterjee2, and Tanya Das1,*

  1. 1 Division of Molecular Medicine, Bose Institute, P-1/12 CIT Scheme VII M, Kolkata-700 054, India.
  2. 2 Department of Biophysics, Bose Institute, P-1/12 CIT Scheme VII M, Kolkata-700 054, India.
  3. 3 Department of Biological Sciences, BITS-Pilani, K K Birla Goa Campus, NH 17B, Zuarinagar, Goa-403 726, India.
  4. 4 Department of Surgery, IPGMER and SSKM Hospital, Kolkata- 700 020, India.

* Corresponding author. Email: tanya@jcbose.ac.in

要約

がん幹細胞(CSC)における薬剤排出ポンプの高い存在量は、化学療法抵抗性の一因となる。転写調節因子SMAR1は結腸直腸がんにおいてCSC増殖を抑制し、SMAR1の存在量の増加は予後の改善に関連する。今回われわれは、乳がんにおいて、多能性因子Oct4およびSox2とヒストン脱アセチル化酵素HDAC1との協同的相互作用を通じて、CSCでのSMAR1発現が低下することを見出した。SMAR1を過剰発現させると、薬剤排出ポンプABCG2をコードする遺伝子のプロモーターにHDAC2がSMAR1依存的に動員されることによって、CSCが化学療法に対して感受性になった。培養CSCまたは4T1担がんマウスに非ステロイド性抗炎症薬のアスピリンを投与すると、SMAR1の発現とABCG2の抑制が回復し、腫瘍のドキソルビシンに対する感受性が高まった。われわれの結果から、SMAR1を調節する転写機構が、がんの幹細胞性と化学療法抵抗性も調節することが明らかになり、アスピリンは、SMAR1発現を回復させることによって、幹様腫瘍を有する患者における化学療法の有効性を高める可能性があることが示唆される。

Citation: A. Bhattacharya, S. Mukherjee, P. Khan, S. Banerjee, A. Dutta, N. Banerjee, D. Sengupta, U. Basak, S. Chakraborty, A. Dutta, S. Chattopadhyay, K. Jana, D. K. Sarkar, S. Chatterjee, T. Das, SMAR1 repression by pluripotency factors and consequent chemoresistance in breast cancer stem-like cells is reversed by aspirin. Sci. Signal. 13, eaay6077 (2020).

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