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ショウジョウバエにおいて2′3′-cGAMPがSTINGおよびNF-κBに依存して広範な抗ウイルス応答を引き起こす

2′3′-cGAMP triggers a STING- and NF-κB-dependent broad antiviral response in Drosophila

Research Article

Sci. Signal. 01 Dec 2020:
Vol. 13, Issue 660, eabc4537
DOI: 10.1126/scisignal.abc4537

Hua Cai1,2, Andreas Holleufer3, Bine Simonsen3, Juliette Schneider2, Aurélie Lemoine2, Hans Henrik Gad3, Jingxian Huang1, Jieqing Huang1, Di Chen1, Tao Peng1, João T. Marques4,5, Rune Hartmann3,*, Nelson E. Martins2,*, and Jean-Luc Imler1,2

  1. 1 Sino-French Hoffmann Institute, State Key Laboratory of Respiratory Disease, School of Basic Medical Science, Guangzhou Medical University, Guangzhou 511436, China.
  2. 2 Université de Strasbourg, CNRS UPR 9022, 67084 Strasbourg, France.
  3. 3 Department of Molecular Biology and Genetics, Aarhus University, 8000 Aarhus C, Denmark.
  4. 4 Université de Strasbourg, CNRS UPR 9022, INSERM U1257, 67084 Strasbourg, France.
  5. 5 Department of Biochemistry and Immunology, Instituto de Ciências Biológicas, Universidade Federal de Minas Gerais, Belo Horizonte, Minas Gerais CEP 31270901, Brazil.

* Corresponding author. Email: rh@mbg.au.dk (R.H.); nmartins@ibmc-cnrs.unistra.fr (N.E.M.)

要約

われわれは以前、ショウジョウバエ(Drosophila)においてSTINGのオルソログがピコルナ様ウイルスによる感染を制御していることを報告した。哺乳類においてSTINGは、細胞質DNAの受容体として働くcGASにより産生される環状ジヌクレオチド2′3′-cGAMPによって活性化される。今回われわれは、ハエに2′3′-cGAMPを注入することで、dSTINGで制御されている遺伝子の発現が誘導されることを明らかにした。2′3′-cGAMPと、RNAまたはDNAウイルス群を同時に注入すると、ウイルス複製が大幅に減少した。このような2′3′-cGAMPを介した防御は、オートファジーと低分子干渉RNA経路の主要な構成要素をそれぞれコードする遺伝子Atg7およびAGO2が変異したハエでも認められた。一方、NF-κB転写因子Relishをコードする遺伝子が変異したハエでは、このような防御は消失していた。2′3′-cGAMPを注入したハエのトランスクリプトーム解析から、遺伝子が速やかに誘導されたり、遅延して誘導されたり、または持続的に誘導されたりといった、複雑な応答パターンをとることが明らかにされた。われわれの結果は、脊椎動物におけるインターフェロンの出現前から存在しているNF-κB依存性の抗ウイルスプログラムを、dSTINGが制御していることを解明した。

Citation: H. Cai, A. Holleufer, B. Simonsen, J. Schneider, A. Lemoine, H. H. Gad, J. Huang, J. Huang, D. Chen, T. Peng, J. T. Marques, R. Hartmann, N. E. Martins, J.-L. Imler, 2′3′-cGAMP triggers a STINGand NF-κB-dependent broad antiviral response in Drosophila. Sci. Signal. 13, eabc4537 (2020).

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