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単一細胞解析はMVAワクチンに対するヒト樹状細胞の多様な応答を明らかに
Single-cell analysis reveals divergent responses of human dendritic cells to the MVA vaccine
Science Signaling 24 Aug 2021:
Vol. 14, Issue 697, eabd9720
DOI: 10.1126/scisignal.abd9720
Marius Döring1,2, Kevin De Azevedo1, Guillermo Blanco-Rodriguez1, Francesca Nadalin1, Takeshi Satoh1,2, Matteo Gentili1, Xavier Lahaye1, Nilushi S. De Silva1, Cécile Conrad1, Mabel Jouve1, Mireille Centlivre2,3, Yves Lévy2,3,4, Nicolas Manel1,2,*
- 1 Immunity and Cancer Department, Institut Curie, PSL Research University, INSERM U932, 75005 Paris, France.
- 2 Vaccine Research Institute (VRI), Créteil, Paris, France.
- 3 INSERM U955, Université Paris Est Créteil, Créteil, France.
- 4 AP-HP, Hôpital Henri-Mondor Albert-Chenevier, Service d'Immunologie Clinique et Maladies Infectieuses, Créteil, France.
* Corresponding author. Email: nicolas.manel@curie.fr
要約
改変ワクシニアアンカラ(MVA)は、弱毒化したヒト天然痘生ワクチンであり、感染症やがんに対する新しいワクチン開発のためのベクターである。MVAによる免疫系の効率的な活性化は、樹状細胞(DC)との遭遇に部分的に依存している。DCのMVA感染は、サイトカイン産生、T細胞刺激の共刺激分子の活性化、細胞死など、複数の結果をもたらす。ここでは、これらの多様な応答がヒトDCでどのように調整されているかを調べた。単一細胞解析により、DCのMVA感染に対する応答は初期のウイルス遺伝子発現に制限されていることが明らかとなった。ウイルスサイクルの初期事象に応答して、DCが3つの異なるクラスターにグループ化されることがわかった。感染細胞のクラスターは、cGAS、STING、TBK1、およびIRF3により媒介される細胞内自然免疫経路によってMVAゲノムを感知し、その後炎症性サイトカインを産生した。これらのサイトカインに応答して、感染していないバイスタンダー細胞のクラスターが共刺激分子の発現を増加させた。感染細胞の別のクラスターは、カスパーゼ依存性アポトーシスを起こした。アポトーシスの誘導は、以前に記載されたIRF依存性または複製依存性経路とは独立して、自然免疫経路媒介因子の阻害後も持続し、初期のMVA遺伝子発現に対する応答であった。合わせると、われわれの研究は、MVAとヒトDCの相互作用の基となる複数の機構を同定した。
Citation: M. Döring, K. De Azevedo, G. Blanco-Rodriguez, F. Nadalin, T. Satoh, M. Gentili, X. Lahaye, N. S. De Silva, C. Conrad, M. Jouve, M. Centlivre, Y. Lévy, N. Manel, Single-cell analysis reveals divergent responses of human dendritic cells to the MVA vaccine. Sci. Signal. 14, eabd9720 (2021).