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MICU1はミトコンドリアのCa2+ユニポーターチャネルとは独立してミトコンドリアのクリステ構造と機能を調節する
MICU1 regulates mitochondrial cristae structure and function independently of the mitochondrial Ca2+ uniporter channel
SCIENCE SIGNALING
25 Apr 2023 Vol 16, Issue 782
[DOI: 10.1126/scisignal.abi8948]
Dhanendra Tomar1, Manfred Thomas1, Joanne F. Garbincius1, DevinW. Kolmetzky1, Oniel Salik1, 2, Pooja Jadiya1, Suresh K. Joseph3, April C. Carpenter2, György Hajnóczky3, John W. Elrod1, *
- 1 Cardiovascular Research Center, Department of Cardiovascular Sciences, Lewis Katz School of Medicine at Temple University, Philadelphia, PA 19140, USA.
- 2 Health and Exercise Physiology, Ursinus College, Collegeville, PA 19426, USA.
- 3 MitoCare Center, Department of Pathology, Anatomy and Cell Biology, Thomas Jefferson University, Philadelphia, PA, USA.
* Corresponding author. Email: elrod@temple.edu
ミトコンドリアの形態におけるMICU1の役割
ミトコンドリア内膜のクリステへの折り畳みは、細胞エネルギーといくつかのミトコンドリア機能に重要である。Tomarらは、ミトコンドリアCa2+ユニポーターチャネル(MCU)の調節における役割で最も知られるCa2+結合タンパク質MICU1が、クリステ構造も調節することを発見した。MICU1は、クリステの超微細構造にとって重要なMICOS複合体の構築を促進した。MICU1の欠損は、MCUによって媒介されるミトコンドリアのCa2+流入とは独立にクリステ組織の破壊とミトコンドリアの機能不全をもたらした。これらの結果は、ミトコンドリアマトリックスのCa2+過負荷を防ぐ機能とは独立なMICU1の役割を明らかにしている。—WW
要約
MICU1は、ミトコンドリアカルシウム(Ca2+)ユニポーターチャネル複合体(mtCU)およびミトコンドリアのCa2+取り込みを調節するCa2+結合タンパク質である。MICU1ノックアウトマウスは、他のmtCUサブユニットを欠くマウスとは異なる表現型である無秩序なミトコンドリア構造を示す。したがって、ミトコンドリアマトリックスのCa2+含有量の変化では説明できない可能性がある。プロテオミクスおよび細胞イメージング技術を用いて、MICU1がミトコンドリア接触部位およびクリステ組織化システム(MICOS)に局在し、mtCUとは独立にMICOS構成要素であるMIC60およびCHCHD2と直接相互作用することを発見した。MICU1がMICOS複合体の形成に不可欠であり、MICU1の除去がクリステ組織、ミトコンドリアの超微細構造、ミトコンドリア膜ダイナミクス、および細胞死シグナル伝達の変化をもたらすことを実証した。まとめると、われわれの結果は、MICU1がマトリックスのCa2+取り込みとは独立にミトコンドリア膜ダイナミクスを調節する膜間腔Ca2+センサーであることを示唆する。この系は、協調して細胞エネルギーと細胞死を調節するミトコンドリアマトリックスおよび膜間腔での異なるCa2+シグナル伝達を可能にする。