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ナチュラルキラー細胞の炎症誘導性応答に関するエンドソームシグナル伝達経路はDNA-PKcsが制御する

DNA-PKcs Controls an Endosomal Signaling Pathway for a Proinflammatory Response by Natural Killer Cells

Research Article

Sci. Signal., 23 February 2010
Vol. 3, Issue 110, p. ra14
[DOI: 10.1126/scisignal.2000467]

Sumati Rajagopalan1*, Mark W. Moyle1, Irma Joosten2, and Eric O. Long1*

1 Laboratory of Immunogenetics, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health, Rockville, MD 20852, USA.
2 Department of Laboratory Medicine, Radboud University Nijmegen Medical Center, 6500 HB Nijmegen, the Netherlands.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: sumi@nih.gov (S.R.) and eLong@nih.gov (E.O.L.)

要約:エンドソームは、受容体に独特のシグナル伝達特性を与える特殊なシグナル伝達コンパートメントであること が明らかになりつつある。エンドソームのシグナル伝達経路の多様性、および様々な生物学的応答に対してどのように影響するのかは未だ不明である。キラー細 胞免疫グロブリン様受容体(KIR)2DL4(KIR2DL4)としても知られるCD158dは、ナチュラルキラー(NK)細胞のエンドソームに存在する 受容体であり、可溶性ヒト白血球抗原G(HLA-G)に応答して、一連の炎症性メディエーターおよび血管新生促進性メディエーターの放出を刺激する。今回 われわれは、CD158dのシグナル伝達カスケードを同定した。可溶性アゴニスト抗体または可溶性HLA-Gに応答して、CD158dによるシグナル伝達 は核因子-κB(NF-κB)およびセリントレオニンキナーゼAktの活性化に依存していた。DNA依存性プロテインキナーゼの触媒性サブユニット (DNA-PKcs)と会合しているCD158dは、エンドソームへのAktの動員を促し、DNA-PKcs依存的なAktのリン酸化を刺激した。 CD158dによるシグナル伝達においてDNA-PKcs、AktおよびNF-κBが順次動員されることは、以前は特徴がわからなかったNK細胞の炎症誘 導性応答に関するエンドソームシグナル伝達経路の詳細が明らかとなった。

S. Rajagopalan, M. W. Moyle, I. Joosten, E. O. Long, DNA-PKcs Controls an Endosomal Signaling Pathway for a Proinflammatory Response by Natural Killer Cells. Sci. Signal. 3, ra14 (2010).

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