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2型DYRKを分子内チロシンキナーゼへと一時的に変換するドメインの特徴

Characterization of a Domain That Transiently Converts Class 2 DYRKs into Intramolecular Tyrosine Kinases

Research Article

Sci. Signal., 2 March 2010
Vol. 3, Issue 111, p. ra16
[DOI: 10.1126/scisignal.2000579]

Ross Kinstrie1*, Nathan Luebbering2*, Diego Miranda-Saavedra3, Gary Sibbet4, Jingfen Han2, Pamela A. Lochhead5, and Vaughn Cleghon2†

1 Department of Immunology, Infection and Inflammation, Glasgow Biomedical Research Centre, University of Glasgow, 120 University Place, Glasgow G12 8TA, UK.
2 Division of Developmental Biology, Cincinnati Children's Hospital Medical Center, 3333 Burnet Avenue, Cincinnati, OH 45229, USA.
3 Department of Haematology, Cambridge Institute for Medical Research, University of Cambridge, Hills Road, Cambridge CB2 0XY, UK.
4 Beatson Institute for Cancer Research, Garscube Estate, Switchback Road, Glasgow G61 1BD, UK.
5 Laboratory of Molecular Signalling, Babraham Institute, Babraham Research Campus, Cambridge CB22 3AT, UK.

* These authors contributed equally to this work.

To whom correspondence should be addressed. E-mail: vaughn.cleghon@cchmc.org

要約:二重特異性チロシンリン酸化調節キナーゼ(DYRK)は、活性化ループ内のきわめて重要なチロシン残基を 自己リン酸化し、基質のセリン残基およびトレオニン残基をリン酸化する。活性化ループのチロシンのリン酸化は分子内で起こり、タンパク質の成熟中に短寿命 の遷移中間体により媒介され、機能的なDYRKのセリン-トレオニンキナーゼ活性に必要である。DYRKファミリーは2つのサブクラスに分かれる。われわ れは、バイオインフォマティクスおよび変異解析を通して、2型DYRKの非触媒N末端において保存されているドメインを同定した。このドメインは、活性化 ループチロシンの自己リン酸化に必要であったが、基質のセリン残基またはトレオニン残基のリン酸化には必要でなかった。NAPAドメインと名付けたこのド メインは、2型DYRKを、活性化ループチロシンを自己リン酸化できる分子内キナーゼに一時的に変換するシャペロン様機能をもたらすと提案する。NAPA ドメインは、トリパノソーマ類からヒトまで保存されていることから、このような活性化ループの分子内リン酸化は古くからあり、プロテインキナーゼ活性化の 原始的な機構を表しているのかもしれない。

R. Kinstrie, N. Luebbering, D. Miranda-Saavedra, G. Sibbet, J. Han, P. A. Lochhead, V. Cleghon, Characterization of a Domain That Transiently Converts Class 2 DYRKs into Intramolecular Tyrosine Kinases. Sci. Signal. 3, ra16 (2010).

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