• ホーム
  • 結合ポケットへのアクセスを制御することによって、ループがSH2ドメインの特異性を決定する

結合ポケットへのアクセスを制御することによって、ループがSH2ドメインの特異性を決定する

Loops Govern SH2 Domain Specificity by Controlling Access to Binding Pockets

Research Article

Sci. Signal., 4 May 2010
Vol. 3, Issue 120, p. ra34
[DOI: 10.1126/scisignal.2000796]

omonori Kaneko1, Haiming Huang1*, Bing Zhao1, Lei Li1, Huadong Liu1, Courtney K. Voss1, Chenggang Wu1, Martin R. Schiller2, and Shawn Shun-Cheng Li1,3†

1 Department of Biochemistry and the Siebens-Drake Research Institute, Schulich School of Medicine and Dentistry, University of Western Ontario, London, Ontario, Canada N6A 5C1.
2 School of Life Sciences, University of Nevada, 4505 Maryland Parkway, Las Vegas, NV 89154-4004, USA.
3 Children's Health Research Institute, London, Ontario, Canada N6C 2V5.

* Present address: Donnelley Centre for Cellular and Biomolecular Research, University of Toronto, Toronto, Ontario, Canada M5S 3E1.

To whom correspondence should be addressed. E-mail: sli@uwo.ca

要約:細胞機能には、特異的なタンパク質間相互作用が必要であり、そのような相互作用は、相手の特定の配列モ チーフと結合するために結合ポケットを用いるモジュールドメインによって媒介されることが多い。しかし、ドメインファミリーの異なるメンバーがどのように して別々の配列モチーフを選択するのかについては、十分にはわかっていない。ヒトゲノムには、(110のタンパク質中に)120のSrc相同性領域 2(SH2)ドメインをコードされており、それらは多様なホスホチロシン(pTyr)含有配列をもつタンパク質に結合することによって、タンパク質間相互 作用を媒介する。ペプチドに結合しているBRDG1のSH2ドメインの構造から、他のほとんどのSH2ドメインではループ残基によって遮断される結合ポ ケットが明らかになった。63のSH2ドメインの構造解析によって、SH2ドメインには3つの結合ポケットが含まれており、それらはペプチドのpTyrの 後の3つの位置に対して選択性を示すこと、およびSH2ドメインのループがポケットの形状およびアクセスのしやすさを決定することが示唆された。ループの 配列が多様であるにも関わらず、このような表面ポケットへのアクセスの制御に関与するSH2ドメインのループにおいて、保存された構造的特徴が同定され た。われわれは、予想された通りに特異性を変化させるSH2ドメインの新たなループを作製した。このように、表面ループによる結合サブサイト(すなわちポ ケット)の選択的遮断によって、SH2ドメインによる多様なリガンド認識が発達した可能性のある分子的基盤がもたらされ、SH2ドメインの改変および SH2特異的阻害薬の設計のための枠組みがもたらさsれる。

T. Kaneko, H. Huang, B. Zhao, L. Li, H. Liu, C. K. Voss, C. Wu, M. R. Schiller, S. S. C. Li, Loops Govern SH2 Domain Specificity by Controlling Access to Binding Pockets. Sci. Signal. 3, ra34 (2010).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2010年5月4日号

Editors' Choice

神経科学
内から湧き起こる不安

Research Article

結合ポケットへのアクセスを制御することによって、ループがSH2ドメインの特異性を決定する

基底膜を通過する細胞浸潤の調節因子のin vivoでの同定

Perspectives

Tollシグナル伝達の「補完」

最新のResearch Article記事

2025年04月22日号

がん細胞の再上皮化がオートファジーとDNA損傷を増加させる:乳がんの休眠と再発への影響

2025年04月08日号

統合失調症治療薬チオチキセンはアルギナーゼ1および連続的なエフェロサイトーシスを誘導することによってマクロファージを刺激して病原性細胞を除去する

2025年04月01日号

RIPK3はニューロンでRHIMドメイン依存性の抗ウイルス炎症転写を調整する

2025年03月25日号

細胞内RNAに結合するループス由来自己抗体はcGASに媒介される腫瘍免疫を活性化し、RNAを細胞へ送達することができる

2025年03月18日号

転移性前立腺がんにおいてキナーゼPLK1は、抗アンドロゲン剤エンザルタミドに対するヘッジホッグシグナル伝達依存性の耐性を促進する