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TRAF6とA20はBeclin-1のリジン63結合型ユビキチン化を調節してTLR4誘導性オートファジーを制御する

TRAF6 and A20 Regulate Lysine 63-Linked Ubiquitination of Beclin-1 to Control TLR4-Induced Autophagy

Research Article

Sci. Signal., 25 May 2010
Vol. 3, Issue 123, p. ra42
[DOI: 10.1126/scisignal.2000751]

Chong-Shan Shi* and John H. Kehrl*

B Cell Molecular Immunology Section, Laboratory of Immunoregulation, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: cshi@niaid.nih.gov (C.-S.S.); jkehrl@niaid.nih.gov (J.H.K.)

要約:オートファジーは細胞質成分をオートファゴリソソームに届け、自然免疫と適応免疫の両 方に関連する。Toll様受容体4(TLR4)シグナル伝達はオートファジーを誘導し、酵母Atg6の哺乳類ホモログであるBeclin-1を受容体複合 体に動員する。われわれは、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)関連因子6(TRAF6)によって仲介されるBeclin-1のLys63(K63) 結合型ユビキチン化が、マクロファージにおけるTLR4誘導性オートファジーにとってきわめて重要であることを見いだした。Beclin-1中の2つの TRAF6結合モチーフが、TRAF6の結合とBeclin-1のユビキチン化を促進した。Beclin-1のBcl-2ホモロジー3(BH3)ドメイン に戦略的に位置するLys117が、K63結合型ユビキチン化の主な部位であった。脱ユビキチン化酵素A20は、Beclin-1 のK63結合型ユビキチン化の程度を低下させ、TLRシグナル伝達に応答するオートファジーの誘導を制限した。インターフェロン-γまたはインターロイキ ン-1でマクロファージを処理した場合にも、Beclin-1のK63結合型ユビキチン化とオートファゴソームの形成が誘導された。これらの結果は、 Beclin-1のK63結合型ユビキチン化状態が、炎症応答時のオートファジーの調節において重要な役割を果たすことを示唆する。

C. S. Shi, J. H. Kehrl, TRAF6 and A20 Regulate Lysine 63-Linked Ubiquitination of Beclin-1 to Control TLR4-Induced Autophagy. Sci. Signal. 3, ra42 (2010).

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