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Gタンパク質共役受容体シグナル伝達におけるGoとRab5の直接的かつ機能的な相互作用

A Direct and Functional Interaction Between Go and Rab5 During G Protein-Coupled Receptor Signaling

Research Article

Sci. Signal., 24 August 2010
Vol. 3, Issue 136, p. ra65
[DOI: 10.1126/scisignal.2000877]

Vladimir Purvanov1, Alexey Koval1, and Vladimir L. Katanaev1,2*

1 Department of Biology, University of Konstanz, Universitatsstrasse 10, Box 643, Konstanz 78457, Germany.
2 Institute of Protein Research, Russian Academy of Sciences, 4 Institutskaya Street, Pushchino 142290, Moscow Region, Russia.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: vladimir.katanaev@uni-konstanz.de

要約:Rab5は、エンドサイトーシスの初期段階を調節する低分子量グアノシントリホスファ ターゼ(GTPase)であり、真核生物全体に保存されている。Rab5は受容体や他の膜結合性シグナル伝達タンパク質の細胞内移行を調節する。このよう な過程におけるRab5の機能は比較的受動的であると考えられ、Rab5のエンドサイトーシス能は、たとえば、Gタンパク質(ヘテロ三量体のグアニンヌク レオチド結合タンパク質)共役受容体(GPCR)のβアレスチン依存的な細胞内移行などの際に利用される。これらのシグナル伝達経路の構成要素により Rab5が直接動員されたり活性化されたりするという報告はこれまではなかった。今回われわれは、DrosophilaのRab5と、GPCRシグナル伝達の直接の伝達分子(Gタンパク質Go)の相互作用を、in vitroおよびin vivoで明らかにした。Rab5とGoは、精製タンパク質としても、またハエ抽出物中でも相互に結合した。細胞を用いたアッセイ系ではGoはRab5の活性化とエンドソームの融合を引き起こした。さらにわれわれは、GoとRab5の相互作用が、Drosophilaの平面内細胞極性およびWinglessシグナル伝達(どちらもFrizzled[Fz]ファミリーのGPCRにより開始される経路)において機能することを明らかにした。また、膜のリサイクリングに働くRab GTPアーゼのRab4とRab11は、FzとGoを 介するシグナル伝達で機能し、標準的なWinglessシグナル伝達よりも平面内細胞極性で働いていた。ヘテロ三量体のGタンパク質とRab GTPアーゼの相互作用は、受容体の細胞内移行を制御していることを示す今回の研究により、GPCRシグナル伝達でこれまで不明だった調節機構が明らかに なった。

V. Purvanov, A. Koval, V. L. Katanaev, A Direct and Functional Interaction Between Go and Rab5 During G Protein-Coupled Receptor Signaling. Sci. Signal. 3, ra65 (2010).

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