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アクチンコメットか細胞膜ラッフルの誘導:アクチン再構成に対するホスホイノシチドの異なる影響

Triggering Actin Comets Versus Membrane Ruffles: Distinctive Effects of Phosphoinositides on Actin Reorganization

Research Article

Sci. Signal., 13 December 2011
Vol. 4, Issue 203, p. ra87
[DOI: 10.1126/scisignal.2002033]

Tasuku Ueno1*, Björn H. Falkenburger2†, Christopher Pohlmeyer1, and Takanari Inoue1‡

1 Department of Cell Biology, Center for Cell Dynamics, School of Medicine, Johns Hopkins University, Baltimore, MD 21205, USA.
2 Department of Physiology and Biophysics, School of Medicine, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.

* Present address: Graduate School of Pharmaceutical Sciences, University of Tokyo, Tokyo 113-0033, Japan.

† Present address: Department of Neurology, RWTH Aachen University, 52074 Aachen, Germany.

‡ To whom correspondence should be addressed. E-mail: jctinoue@jhmi.edu

要約:ホスホイノシチド膜脂質の特定の一群は、増殖、分化、移動などの多様な細胞機能を調節する。今回われわれは、ラパマイシン誘導性のタンパク質二量体化に基づいて、細胞膜のホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸[PI(4,5)P2]の濃度を迅速に変化させる2つの手法を開発した。まず、膜移行可能型のPI(4)P 5-キナーゼを用いて、ホスファチジルイノシトール4-リン酸[PI(4)P]からのPI(4,5)P2の合成を亢進させると、COS-7、HeLa、およびヒト胎児腎細胞293が、アクチンコメットとして知られる運動性のアクチンフィラメントの束を形成することがわかった。対照的に、PI(4)Pを消費せずにPI(4,5)P2濃度を増大させる別の手法は、細胞膜ラッフルを誘導した。これらの異なる表現型は、ダイナミンを介する小胞輸送、および低分子量グアノシントリホスファターゼのRacおよびRhoAの間の相互抑制性のクロストークによって媒介された。われわれの結果は、アクチン再構成に対するPI(4,5)P2の作用がPI(4)Pなどの他のホスホイノシチドの存在量に依存することを示唆する。したがって、ホスホイノシチド濃度の組合せ調節は、ホスホイノシチド機能の多様性に寄与するのかもしれない。

T. Ueno, B. H. Falkenburger, C. Pohlmeyer, T. Inoue, Triggering Actin Comets Versus Membrane Ruffles: Distinctive Effects of Phosphoinositides on Actin Reorganization. Sci. Signal. 4, ra87 (2011).

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