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Pin1によるホスファチジルイノシトール-5-リン酸シグナル伝達の調節が酸化ストレスに対する感受性を決定する

Regulation of Phosphatidylinositol-5-Phosphate Signaling by Pin1 Determines Sensitivity to Oxidative Stress

Research Article

Sci. Signal., 27 November 2012
Vol. 5, Issue 252, p. ra86
[DOI: 10.1126/scisignal.2003223]

Willem-Jan Keune1, David R. Jones1, Yvette Bultsma1, Lilly Sommer1, Xiao Zhen Zhou2, Kun Ping Lu2, and Nullin Divecha1*

1 CRUK Inositide Laboratory, Paterson Institute for Cancer Research (PICR), The University of Manchester, Manchester M20 4BX, UK.
2 Department of Medicine, Beth Israel Deaconess Medical Centre, Harvard Medical School, Boston, MA 02215, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: ndivecha@picr.man.ac.uk

要約:酸化シグナル伝達と酸化ストレスは、老化、がん、神経変性に起因する種々の疾患に関与する。Pin1はプロリンイソメラーゼであり、リン酸化された基質を認識して、その標的の局在とコンホメーションを調節する。Pin1-/-マウスは早期老化に関連する表現型を示すが、これらのマウスに由来するマウス胚性線維芽細胞(MEF)は過酸化水素(H2O2)誘導性の細胞死に抵抗性を示す。われわれは、ホスファチジルイノシトール-5-リン酸(PtdIns5P)の存在量がH2O2に応答して増大し、Pin1-/- MEFにおいてはこの作用が増強されることを見出した。H2O2誘導性にPtdIns5Pが減少すると、酸化ストレスに応答して細胞生存能が低下したことから、PtdIns5Pが酸化ストレスに曝されたPin1-/- MEFの細胞生存能の増強に関与することが示唆された。Pin1-/- MEFにおいてPtdIns5Pが増大すると、酸化ストレスに対する防御に関与する遺伝子の発現が促進され、活性酸素種の蓄積が低下した。Pin1、およびPtdIns5Pをリン酸化することによってその存在量を減少させる酵素であるPtdIns5P 4-キナーゼ(PIP4K)が、PIP4Kのリン酸化に依存して相互作用した。Pin1をPin1-/- MEFに再導入すると、H2O2に応答して産生されるPtdIns5P量が減少したが、in vitro測定では、Pin1のイソメラーゼ活性によってPIP4K活性が抑制されることが示唆された。イソメラーゼを介するこのPIP4Kの抑制が細胞内で起こるかどうかはまだ解明されていないが、これらのデータはPin1によるPIP4Kの調節が複雑である可能性を示唆する。

W.-J. Keune, D. R. Jones, Y. Bultsma, L. Sommer, X. Z. Zhou, K. P. Lu, N. Divecha, Regulation of Phosphatidylinositol-5-Phosphate Signaling by Pin1 Determines Sensitivity to Oxidative Stress. Sci. Signal. 5, ra86 (2012).

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