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VEGFとYAP/TAZシグナル伝達の収束:血管新生およびがんの生物学との関連

Convergence of VEGF and YAP/TAZ signaling: Implications for angiogenesis and cancer biology

Reviews

Sci. Signal. 16 Oct 2018:
Vol. 11, Issue 552, eaau1165
DOI: 10.1126/scisignal.aau1165

Ameer L. Elaimy1,2 and Arthur M. Mercurio1,*

1 Department of Molecular, Cell and Cancer Biology, University of Massachusetts Medical School, Worcester, MA 01605, USA.
2 Medical Scientist Training Program, University of Massachusetts Medical School, Worcester, MA 01605, USA.

* Corresponding author. Email: arthur.mercurio@umassmed.edu

要約

血管内皮増殖因子(VEGF)は内皮細胞を刺激し、発生および病理学的血管新生を促進する。VEGFは腫瘍細胞にも直接影響を及ぼし、がん幹細胞(CSC)の出現および維持同様、腫瘍の発生、進行及び再発と関連がある。研究によって、VEGFシグナル伝達の媒介における転写調節因子YAP及びTAZの重要性が明らかになっている。例えば、VEGFは、RhoファミリーメンバーのGTPアーゼ活性を刺激し、それによって、細胞骨格の動態に影響を及ぼし、YAP及びTAZの活性化に寄与する。次に、YAP及びTAZが媒介する遺伝子発現の変化が、Rhoファミリーメンバーの活性及び細胞骨格へ影響を持続させ、血管増殖および内皮細胞リモデリングならびに腫瘍細胞における幹様特性の獲得を促進する。本レビューでは、これらの知見によって、VEGFおよびYAP/TAZの病態生理学的役割がどのように詳細に説明され、それらと他の受容体媒介経路の関連性がどのように特定され、患者においてそれらの収束シグナルを治療標的にする方法が明らかにされるのかについて検討する。

Citation: A. L. Elaimy, A. M. Mercurio, Convergence of VEGF and YAP/TAZ signaling: Implications for angiogenesis and cancer biology. Sci. Signal. 11, eaau1165 (2018).

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英語原文を見る

2018年10月16日号

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