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酵母代謝経路におけるリン酸化の役割に関する大規模な機能解析

Large-scale functional analysis of the roles of phosphorylation in yeast metabolic pathways

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Sci. Signal., 25 November 2014
Vol. 7, Issue 353, p. rs6
DOI: 10.1126/scisignal.2005602

Juliane Caroline Schulz1,*, Mattia Zampieri1,*, Stefanie Wanka2, Christian von Mering2, and Uwe Sauer1,†

1 Institute of Molecular Systems Biology, Eidgenössische Technische Hochschule (ETH) Zürich, 8093 Zürich, Switzerland.
2 Institute of Molecular Life Sciences and Swiss Institute of Bioinformatics, University of Zürich, 8057 Zürich, Switzerland.

† Corresponding author. E-mail: sauer@imsb.biol.ethz.ch

* These authors contributed equally to this work.

要約 タンパク質リン酸化は、広く行き渡った翻訳後修飾であり、ほぼすべての細胞機能を制御する。既知の機能を有する多数のリン酸化イベントを検討するために、キナーゼまたはホスファターゼ118個に欠損を有する出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)株において、数百の細胞内代謝産物の濃度をモニターした。大部分の欠損株は、野生型酵母と比較して、増殖に検出可能な差はなかったが、欠損株の3分の2は代謝プロファイルが変化していた。欠損遺伝子にコードされるキナーゼおよびホスファターゼの約半数について、影響を受けた代謝経路に関する知識に基づいて、特定の制御的役割を推測した。われわれは、ホスファターゼPpq1が金属ホメオスタシスに必要であることを実証した。化学量論モデルにおいて代謝データと公表されたホスホプロテオミクスデータを組み合わせることで、酵素47個の制御におけるリン酸化について機能を予測することができた。全体的に見て、われわれは、酵母における既知のリン酸化された酵素の数の二倍以上を網羅して、洞察と検証できる予測を提供した。このことから、酵母の代謝が広範囲にわたってリン酸化依存的に制御されていることが示唆される。

J. C. Schulz, M. Zampieri, S. Wanka, C. von Mering, and U. Sauer, Large-scale functional analysis of the roles of phosphorylation in yeast metabolic pathways. Sci. Signal. 7, rs6 (2014).

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