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特集:美容と老化

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エクオールとは?:美容と老化との関係

エクオールとは?:美容と老化との関係

イソフラボンは、大豆やクズなどマメ科の植物に多く含まれるフラボノイドの一種である。構造が女性ホルモン(エストロゲン)に類似しており、受容体に結合することで弱いエストロゲン活性を示すことが知られている。大豆に含まれる主なイソフラボンは、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインの3種類で、このうちダイゼインは特定の腸内細菌によってエクオールという成分に代謝される。
エクオールは馬の尿中から1932年に初めて単離され、当初は新規のホルモン物質と考えられていたが、大豆イソフラボン(ダイゼイン)から腸内細菌の代謝によって産生されることが判明した。エクオールのエストロゲン様作用や抗酸化作用はダイゼインやゲニステインと比べて高く、エクオール産生者は非産生者と比べて大豆の健康効果をより大きく享受できるというエクオール仮説が2002年に提示された 1)。その後エクオールの研究は急速に進み、更年期症状や骨密度の維持、体脂肪、血管内皮機能、乳がんや前立腺がん、肌の老化、手外科疾患などに対するエクオール産生者のメリットやエクオール摂取の有用性が報告されている。例えば、肌の老化に関しては、エクオールをつくれない閉経後5年未満の女性に対し、エクオールサプリメントを12週間摂取させると、目じりのシワ(面積率と一番深いシワの深さ)の進行を押さえるという結果が報告されている 2)。更年期以降の女性で多くみられるヘバーデン結節や手根管症候群などの手外科疾患に関しても、近年ではエストロゲンの減少が関係している可能性が示唆され、エクオールの摂取により改善する可能性がある。

エクオール産生能:腸内細菌叢により変化

エクオール産生能は個人差があり、誰もがエクオール産生菌を保有しているわけではない。産生者の比率は報告により多少のばらつきがあるが、欧米人で20〜30%、日本人を含む東アジア人で50〜60%といわれる。欧米人でもベジタリアンは50〜60%が産生者であることや、日本人でも肥満だと産生率が低くなることから、エクオール産生能の有無は遺伝的な要因ではなく、大豆を含む毎日の食生活や生活習慣によって形成される腸内細菌叢の違いが原因であろうと考えられている。エクオール産生能を変えることは簡単ではないが、食生活や生活習慣の変容によって腸内細菌叢が変化すると、一部の人には変化をもたらすことが可能であると考えられており、実際に非産生者の12%が産生者に変化したという報告もある 3)

エクオール検査:エクオールを直接検出する精度の高い検査

エクオールを含むイソフラボン類は腸から吸収された後、数時間〜数日程度で尿中からすべて排泄される。発酵食品も含め通常日本人が口にする大豆食品でエクオールを含むものはないので、大豆イソフラボンを摂取して一定時間後の尿中からエクオールを測定すればエクオール産生能を簡単に検査することができる。
これまで研究では、HPLCや質量分析計によって測定されてきた。この方法は正確性に優れる一方で、測定コストから検査実施は容易でなかった。しかし、愛知学院大学の大澤俊彦教授らにより感度と特異性に優れた抗エクオールモノクローナル抗体が作製された 4)。アイシン精機株式会社との共同開発によって反応試薬や発色強度検出装置を改良した結果、0.1 μMから75 μMの範囲で定量測定ができ、HPLCとも高い相関(R2=0.969, n=60)をもつ安価で精度の高いイムノクロマト法が開発された。
エクオール産生を調べる他の方法として、糞便検体中に含まれるエクオール産生菌を遺伝子解析によって検出する方法がある。ただし、未同定のエクオール産生菌の存在や産生菌の活性度までは分からないことに注意する必要がある。最近の研究で、遺伝子解析によって糞便検体からエクオール産生菌の存在が確認できても、尿中からエクオールが検出されない場合が報告されており 5)、摂取した大豆イソフラボンからエクオールを産生できているかどうかを確認するためには、尿中を測定することが望ましいと考えられる。

おわりに

エクオールは、美容と老化との関連から注目を浴びている物質で近年論文数も大幅に増加している。また腸内細菌叢の差による食品の健康効果の差を調べるモデルとしても優れていると考えられる。

参考文献
  1. Setchell KDR, et al., The clinical importance of the metabolite equol-a clue to the effectiveness of soy and its isoflavones. J Nutr. 132: 3577-3584, 2002.
  2. Oyama A et al., The effects of natural S-equol supplementation on skin aging in postmenopausal women: a pilot randomized placebo-controlled trial. Menopause 19: 202-210, 2012
  3. 瀧本 陽介、腸内フローラと女性の健康:エクオール産生菌、更年期と加齢のヘルスケア Vol.17
  4. Niwa T, Yokoyama S, Osawa T: Preparation of soy isoflavonoids for the production of anti-equol monoclonal antibody. Phytochem Lett 2: 220-222, 2009.
  5. Vazquez L, et al., Development and Use of a Real-Time Quantitative PCR Method for Detecting and Quantifying Equol-Producing Bacteria in Human Faecal Samples and Slurry Cultures. Front Microbial 8: 1155, 2017.

本稿をご提供いただきました株式会社ヘルスケアシステムズ様に心より感謝申し上げます。

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  • エクオールELISA キット
    生体試料 (尿、血清、その他体液等) や食品に含まれるエクオール (Equol) を競合ELISA法にて定量するELISAキットです。
  • 尿中エクオール受託分析サービス
    大豆イソフラボンの健康ベネフィットチェック。アイシン精機の発光検出技術を応用し、イムノクロマト法を用いた受託分析サービスです。
  • 尿中酸化ストレス受託分析サービス
    からだサビつき度チェック。豊田中央研究所が独自に開発したポリマー技術を用い、可視光で抗体を固定化したチップを利用した受託分析サービスです。

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