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Epoを標的にして貧血を治療する

Targeting Epo to treat anemia

Editor's Choice

Sci. Signal. 17 May 2016:
Vol. 9, Issue 428, pp. ec113
DOI: 10.1126/scisignal.aag1311

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

D. R. Burrill, A. Vernet, J. J. Collins, P. A. Silver, J. C. Way, Targeted erythropoietin selectively stimulates red blood cell expansion in vivo. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 113, 5245–5250 (2016). [PubMed]

要約  タンパク質ホルモンであるエリスロポエチン(EPO)は、赤血球(RBC)前駆細胞を刺激して成熟RBCに分化させることから、組換え型のEPOが、いくつかの種類の重症貧血の治療に用いられている。しかし、EPO受容体(EPO-R)は、血小板を産生する巨核球や、一部の腫瘍細胞にも存在するため、この治療は血栓症のリスクを上昇させ、腫瘍の進行を促進する可能性がある。Burrillらは、RBC前駆細胞のEPO-Rを特異的に活性化させる一方、他の細胞種では活性化させないように、EPOの形を設計した。抗体10F7は、RBC系列のみに豊富に存在する膜貫通型タンパク質である、ヒトグリコフォリンA(huGYPA)の細胞外ドメインに結合する。著者らは、この抗体の可変部をコードする配列と35個のアミノ酸から成るリンカーを、野生型EPOと、EPO-Rとの結合性が低い変異型EPO(EPOR150A)に融合させた。in vitroで、10F7-EPOR150AはEPO-Rから容易に解離したが、培養赤白血病細胞において、10F7-EPOR150Aは、野生型EPOまたは10F7-EPOと同程度に、またEPOR150Aよりも大きく、増殖を刺激した。10F7-EPOはEPO-R陽性腫瘍細胞株の増殖を刺激した一方、10F7-EPOR150Aは刺激しなかった。huGYPAを発現するマウスにおいて、10F7-EPOまたは市販の合成型EPOの単回腹腔内注射により、RBCと血小板の両方の産生が刺激されたが、同用量の10F7-EPOR150Aを注射した場合には、RBC産生のみが刺激された。薬物動態解析により、注射した10F7-EPOR150Aの大半が、血漿中にとどまるのではなく、赤血球に結合したことが示された。EPOR150Aは、EPO-Rの刺激因子としてはかなり弱いが、赤血球を標的にすると、これらの細胞を選択的に刺激して増殖させるのに十分なシグナル伝達が可能になる。多数のシグナル伝達分子がさまざまな種類の細胞に影響を及ぼすため、組織特異的または細胞種特異的な型を作り出す同様の設計戦略によって、望ましくない副作用を抑制または除去しながら、効果をもたらすような治療の開発が、可能になると考えられる。

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2016年5月17日号

Editor's Choice

Epoを標的にして貧血を治療する

Research Article

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