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非定型ケモカイン受容体D6の捕捉活性にはコフィリン経路のβ-アレスチン依存的活性化が必要

β-Arrestin–Dependent Activation of the Cofilin Pathway Is Required for the Scavenging Activity of the Atypical Chemokine Receptor D6

Research Article

Sci. Signal., 30 April 2013
Vol. 6, Issue 273, p. ra30
[DOI: 10.1126/scisignal.2003627]

Elena M. Borroni1,2, Cinzia Cancellieri1,2, Alessandro Vacchini1,2, Yann Benureau3, Bernard Lagane3, Françoise Bachelerie4, Fernando Arenzana-Seisdedos3, Kensaku Mizuno5, Alberto Mantovani1,2, Raffaella Bonecchi1,2*, and Massimo Locati1,2

1 Department of Medical Biotechnologies and Translational Medicine, University of Milan, 20089 Rozzano, Milan, Italy.
2 Humanitas Clinical and Research Center, 20089 Rozzano, Milan, Italy.
3 INSERM U819/Unité de Pathogénie Virale, Institut Pasteur, 75724 Paris, France.
4 INSERM UMRS996, University of Paris-Sud, Laboratory of Excellence in Research on Medication and Innovative Therapeutics (LERMIT), 92140 Clamart, France.
5 Department of Biomolecular Sciences, Graduate School of Life Sciences, Tohoku University, 980-8578 Sendai, Miyagi, Japan.

* Corresponding author. E-mail: raffaella.bonecchi@humanitasresearch.it

要約

ケモカインは、ヘテロ三量体であるグアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)に共役した、通常型受容体(GPCR)を活性化することで、感染部位および炎症部位への白血球動員を促進している。またケモカインは、方向性のある細胞遊走を誘導しないが組織内のケモカインの勾配形成には必要な、一連の非定型ケモカイン受容体(ACR)によっても認識される。同族リガンドとの会合後にはGタンパク質依存性シグナル伝達活性は認められないことから、ACRは現在、「サイレント受容体」と考えられている。われわれは、ACR D6がそのリガンドと会合することで、βアレスチン1依存性でGタンパク質非依存性のシグナル伝達経路を活性化し、Rac1-p21活性化キナーゼ1(PAK1)-LIMキナーゼ1(LIMK1)カスケードを介して、アクチン結合タンパク質であるコフィリンのリン酸化が生じることを報告した。このシグナル伝達経路は、細胞表面でのD6タンパク質の量を増やし、そのケモカイン捕捉活性を上昇させるために必要である。D6は、独特のシグナル伝達経路を通じて、ケモカインを介した炎症応答と免疫応答に調節機能を発揮する、シグナル伝達受容体であると結論付けられた。

E. M. Borroni, C. Cancellieri, A. Vacchini, Y. Benureau, B. Lagane, F. Bachelerie, F. Arenzana-Seisdedos, K. Mizuno, A. Mantovani, R. Bonecchi, M. Locati, β-Arrestin-Dependent Activation of the Cofilin Pathway Is Required for the Scavenging Activity of the Atypical Chemokine Receptor D6. Sci. Signal. 6, ra30 (2013).

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2013年4月30日号

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