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活性化ループの動力学がB細胞特異的TecキナーゼおよびT細胞特異的Tecキナーゼでそれぞれ異なる触媒効率を決定する

Activation Loop Dynamics Determine the Different Catalytic Efficiencies of B Cell– and T Cell–Specific Tec Kinases

Research Article

Sci. Signal., 27 August 2013
Vol. 6, Issue 290, p. ra76
[DOI: 10.1126/scisignal.2004298]

Raji E. Joseph1, Iivari Kleino2, Thomas E. Wales3, Qian Xie1, D. Bruce Fulton1, John R. Engen3, Leslie J. Berg2, and Amy H. Andreotti1*

1 Roy J. Carver Department of Biochemistry, Biophysics and Molecular Biology, Iowa State University, Ames, IA 50011, USA.
2 Department of Pathology, University of Massachusetts Medical School, Worcester, MA 01655, USA.
3 Department of Chemistry and Chemical Biology, Northeastern University, Boston, MA 02115, USA.

要約:Itk(インターロイキン2誘導型T細胞キナーゼ)およびBtk(ブルトン型チロシンキナーゼ)はそれぞれT細胞受容体(TCR)およびB細胞受容体(BCR)の下流でシグナル伝達を行うTecファミリーの非受容体型チロシンキナーゼである。これらは配列が極めて類似しており、シグナル伝達の役割に関連があるにもかかわらず、Btkのキナーゼ活性はItkよりもかなり高い。本研究では、Itkの619個のアミノ酸残基のうち6個をBtkの対応する残基と置換する(また、その逆においても)と、ItkおよびBtkの活性が完全に入れ替わることを明らかにした。活性の入れ替えに寄与した置換はすべてキナーゼドメインの活性化部分に局在化している。核磁気共鳴分析および水素/重水素交換質量分析の結果、ItkおよびBtkのこの領域においてそれぞれ特徴的なタンパク質動力学が認められた。これによって、両キナーゼ間の触媒効率の差が説明できると考えられる。活性化を亢進させたItkをT細胞に導入すると、野生型Itkを導入した細胞と比較して、TCRシグナル伝達が亢進し、延長した。これらの知見から、進化的圧力によって、Tecキナーゼは細胞状況に応じて特徴的な酵素特性を有するようになることが示唆される。T細胞特異的キナーゼの触媒活性の方が弱いことが、細胞活性化を調節し、異常免疫応答を予防する上で役立っていると考えられる。

R. E. Joseph, I. Kleino, T. E. Wales, Q. Xie, D. B. Fulton, J. R. Engen, L. J. Berg, A. H. Andreotti, Activation Loop Dynamics Determine the Different Catalytic Efficiencies of B Cell– and T Cell–Specific Tec Kinases. Sci. Signal. 6, ra76 (2013).

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