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休止B細胞の細胞内小胞におけるアダプターSLP-65の高分子集合

Macromolecular assembly of the adaptor SLP-65 at intracellular vesicles in resting B cells

Research Article

Sci. Signal., 19 August 2014
Vol. 7, Issue 339, p. ra79
DOI: 10.1126/scitranslmed.2005104

Michael Engelke1, Sona Pirkuliyeva1,*, Julius Kühn1,*, Leo Wong2, Janina Boyken3,†, Nadine Herrmann1, Stefan Becker2, Christian Griesinger2, and Jürgen Wienands1,‡

1 Institute of Cellular and Molecular Immunology, Georg August University of Göttingen, Humboldtallee 34, 37073 Göttingen, Germany.
2 Department of NMR-Based Structural Biology, Max Planck Institute for Biophysical Chemistry, Am Fassberg 11, 37077 Göttingen, Germany.
3 Department of Neurobiology, Max Planck Institute for Biophysical Chemistry, 37077 Göttingen, Germany.

‡ Corresponding author. E-mail: jwienan@gwdg.de

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Bayer Health Care, Müllerstraße 178, Berlin, Germany.

要約

細胞内エフェクタータンパク質がいかに細胞膜のB細胞抗原受容体(BCR)複合体へ動員されるかに関する従来の見解は、BCRシグナル伝達サブユニットのリン酸化モチーフへのチロシンキナーゼSyk(脾臓チロシンキナーゼ)の動員に例証されるタンパク質-タンパク質直接相互作用の存在に基づいている。対照的に、Sykの近位基質となる細胞質アダプタータンパク質SLP-65(65 kDのSrcホモロジー2ドメイン含有白血球アダプタータンパク質)の細胞内ターゲティングは明らかでない。われわれは、休止B細胞においてSLP-65の活性化が小胞区画への結合を必要とすることを示した。SLP-65のアミノ末端に位置する~50アミノ酸残基のモジュールが、SLP-65を小胞へ固定していた。核磁気共鳴分光法により、SLP-65のアミノ末端は溶液中で構造的に無秩序であるが、細胞膜の非電荷性脂質成分と構造を形成して結合可能であることが示された。あらかじめ形成された小胞シグナル伝達の足場がB細胞の活性化に必要とされるという我々の発見は、小胞が前もって集められたシグナル伝達積荷をBCRの活性化部位へ送達する可能性を示している。

M. Engelke, S. Pirkuliyeva, J. Kühn, L. Wong, J. Boyken, N. Herrmann, S. Becker, C. Griesinger, and J. Wienands, Macromolecular assembly of the adaptor SLP-65 at intracellular vesicles in resting B cells. Sci. Signal. 7, ra79 (2014).

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