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Orai1の細胞型特異的グリコシル化はストア作動性Ca2+流入を調節する

Cell type–specific glycosylation of Orai1 modulates store-operated Ca2+ entry

Research Article

Sci. Signal. 08 Mar 2016:
Vol. 9, Issue 418, pp. ra25
DOI: 10.1126/scisignal.aaa9913

Kathrin Dörr1,2,3, Tatiana Kilch1,3, Sven Kappel1,3, Dalia Alansary2, Gertrud Schwär1,2, Barbara A. Niemeyer2, and Christine Peinelt1,3,*

1 Biophysics, Center for Integrative Physiology and Molecular Medicine, School of Medicine, Saarland University, Homburg 66421, Germany.
2 Molecular Biophysics, Center for Integrative Physiology and Molecular Medicine, School of Medicine, Saarland University, Homburg 66421, Germany.
3 Center of Human and Molecular Biology, Saarland University, Homburg 66421, Germany.

* Corresponding author. E-mail: bpcpei@uks.eu

要約  細胞表面タンパク質のN-グリコシル化は、タンパク質の機能、安定性、および、他のタンパク質との相互作用に影響を与える。ストア作動性Ca2+流入(SOCE)を媒介するOraiチャネルは、N-グリコシル化されるサブユニットから構成される。小胞体のCa2+センサータンパク質(間質相互作用分子STIM1およびSTIM2)により活性化されると、細胞膜のOrai Ca2+チャネルはCa2+の流入を媒介する。レクチンは、糖結合タンパク質であり、シグレックは、免疫グロブリン様反復を有するシアル酸結合レクチンのファミリーである。われわれは、様々な初代ヒト細胞およびがん細胞株からのウェスタンブロット解析およびレクチン結合アッセイを用いて、Orai1のグリコシル化が細胞型特異的であることを見出した。Ca2+イメージング実験およびパッチクランプ実験により、Orai1の唯一のグリコシル化部位の突然変異(Orai1N223A)は、Jurkat T細胞においてSOCEを増強することがわかった。シアル酸転移酵素ST6GAL1のノックダウンは、Orai1のグリカン構造のα-2,6–結合シアル酸を減らし、Jurkat T細胞における増加したCa2+流入と関連していた。ヒト肥満細胞では、シアル酸硫酸化の阻害はOrai1(および他のタンパク質)のN-グリカンを変化させ、SOCEを増加させた。これらのデータは、細胞型特異的グリコシル化が、Orai1とシグレックなどの特定のレクチンとの相互作用に影響を与え、それがSOCEを減衰させることを示唆している。まとめると、Orai1のグリコシル化状態は、SOCEによるCa2+シグナル伝達に影響を与え、免疫疾患やがんでみられる病態生理学的Ca2+シグナル伝達に寄与する可能性がある。

Citation: K. Dörr, T. Kilch, S. Kappel, D. Alansary, G. Schwär, B. A. Niemeyer, C. Peinelt, Cell type–specific glycosylation of Orai1 modulates store-operated Ca2+ entry. Sci. Signal. 9, ra25 (2016).

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