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遊走性好中球における化学誘引物質濃度依存的なERKシグナル伝達ダイナミクスの調節

Chemoattractant concentration–dependent tuning of ERK signaling dynamics in migrating neutrophils

Research Article

Sci. Signal. 13 Dec 2016:
Vol. 9, Issue 458, pp. ra122
DOI: 10.1126/scisignal.aag0486

Elizabeth R. Zhang1,2, Shanshan Liu1,2, Lani F. Wu2,3,*, Steven J. Altschuler2,3,*, and Melanie H. Cobb1,*,†

1 Department of Pharmacology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
2 Green Center for Systems Biology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
3 Department of Pharmaceutical Chemistry, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94158, USA.

† Corresponding author. Email: melanie.cobb@utsouthwestern.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約  細菌ペプチドN-ホルモル-Met-Leu-Phe(fMLP)への好中球の指向性遊走(走化性)は侵入細菌に対する免疫防御における重要な過程である。fMLPの濃度勾配を介した誘導において、好中球および好中球様HL-60細胞は低濃度のfMLPでの指向性遊走から、高濃度のfMLPでの回遊しながらの遊走へと移行する。細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)経路は、このfMLP濃度依存的な遊走モード移行の均衡の調整に関与していると考えられる。本研究では、異なるfMLP濃度に対する好中球遊走の経時的な単一細胞解析により ERKシグナル伝達の役割及び調節を検討した。本研究から、ERK はfMLP濃度に対し、全か無ではなく、段階的な反応を示すことが明らかになった。ERKは約100 nMのfMLPで最も活性化され、p38によってERK不活化が促進された。また、好中球の指向性遊走は、約100 nMのfMLPで最大に達し、好中球遊走にはp38でなくERKが必要であることが明らかになった。以上、本研究のデータから、fMLPに応じた走化性好中球において、ERK は段階的活性化およびp38依存的阻害を示し、これらのERKのダイナミクスが好中球遊走を促進することが示唆される。

Citation: E. R. Zhang, S. Liu, L. F. Wu, S. J. Altschuler, M. H. Cobb, Chemoattractant concentration–dependent tuning of ERK signaling dynamics in migrating neutrophils. Sci. Signal. 9, ra122 (2016).

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