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アセチルトランスフェラーゼNAT10の阻害はトランスポーチン-1核内輸送経路の再均衡化により早老症細胞と老化細胞を正常化する

Inhibition of the acetyltransferase NAT10 normalizes progeric and aging cells by rebalancing the Transportin-1 nuclear import pathway

Research Article

Sci. Signal. 03 Jul 2018:
Vol. 11, Issue 537, eaar5401
DOI: 10.1126/scisignal.aar5401

Delphine Larrieu1,*,†, Emmanuelle Viré1,‡,§, Samuel Robson1,§,‖, Sophia Y. Breusegem2, Tony Kouzarides1, and Stephen P. Jackson1,†

1 The Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute and Department of Biochemistry, University of Cambridge, CB2 1QN, UK.
2 Cambridge Institute for Medical Research, Department of Clinical Biochemistry, University of Cambridge, CB2 0XY, UK.

† Corresponding author. Email: dl437@cam.ac.uk (D.L.); s.jackson@gurdon.cam.ac.uk (S.P.J.)

* Present address: Cambridge Institute for Medical Research, Department of Clinical Biochemistry, University of Cambridge, CB2 0XY, UK.

‡ Present address: Medical Research Council Prion Unit at University College London, Institute of Prion Diseases, Queen Square House, Queen Square London, WC1N 3BG, UK.

§ These authors contributed equally to this work.

‖ Present address: School of Pharmacy and Biomedical Science, University of Portsmouth, PO1 2UP, UK.

要約

Hutchinson-Gilford早老症候群(HGPS)は治癒不能な早老症である。HGPSにおいて調節異常となった生物学的プロセスを特定することが、新規の治療戦略の解明に役立つ可能性がある。HGPS患者から採取した線維芽細胞は、GTP結合型の低分子量GTPase Ran(RanGTP)の核-細胞質間輸送の欠損を示し、これがタンパク質の異常な核内輸送をもたらしている。われわれは、HGPS細胞の微小管安定化が、非古典的な核内輸送タンパク質であるトランスポーチン-1(TNPO1)を細胞質に捕捉し、それによって核膜孔タンパク質であるNUP153を含めそのカーゴの核移行に影響を与えていることを報告する。その結果、核内Ran、ヌクレオポリンTPRの核係留、およびクロマチンの構築が障害され、遺伝子発現の調節異常および老化の誘導が生じた。N-アセチルトランスフェラーゼ10(NAT10)の阻害は、TNPO1の核:細胞質の比率の再均衡化によりHGPSの表現型を改善した。またこれは、核膜孔複合体の完全性とRanの核移行を回復させ、それによってHGPSの細胞表現型を補正していた。われわれは、健康な高齢者の細胞でも同様の機構があることを観察した。本研究は、老化に影響する核内輸送経路を同定し、HGPSに対して、そしておそらくは通常の老化と関連する病態に対しても働く治療戦略候補として、NAT10の阻害が考えられることを明確にしている。

Citation: D. Larrieu, E. Viré, S. Robson, S. Y. Breusegem, T. Kouzarides, S. P. Jackson, Inhibition of the acetyltransferase NAT10 normalizes progeric and aging cells by rebalancing the Transportin-1 nuclear import pathway. Sci. Signal. 11, eaar5401 (2018).

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