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ラット皮質ニューロンにおけるS-ニトロシル化核タンパク質のプロテオミクス解析

Proteomic analysis of S-nitrosylated nuclear proteins in rat cortical neurons

Research Resources

Sci. Signal. 03 Jul 2018:
Vol. 11, Issue 537, eaar3396
DOI: 10.1126/scisignal.aar3396

Jacob G. Smith1, Sarah G. Aldous1, Catia Andreassi1, Giovanni Cuda2, Marco Gaspari2, and Antonella Riccio1,*

1 Medical Research Council Laboratory for Molecular Cell Biology, University College London, WC1E 6BT London, UK.
2 Department of Experimental and Clinical Medicine, University of Catanzaro, 88100 Catanzaro, Italy.

* Corresponding author. Email: a.riccio@ucl.ac.uk

要約

ニューロンは外因性シグナルに反応して遺伝子発現を調節することで、脳の発達、認知および学習を可能にし、全身の生理学的機能を調節する刺激を処理する。このようなシグナルから遺伝子への情報伝達は、システインチオールに一酸化窒素(NO)分子が共有結合するS-ニトロシル化などの翻訳後修飾によって促進される。大脳皮質では、神経発生中の遺伝子転写にヒストン脱アセチル化酵素2(HDAC2)のS-ニトロシル化が必要であるが、他のS-ニトロシル化の核における標的はこれまでほとんど同定されていない。本研究では、NOドナー処理したラット皮質ニューロン核抽出物上へのS-ニトロソチオール樹脂による補足法を用いて、614個のS-ニトロシル化核タンパク質を同定した。このうち131個のタンパク質は、いずれの系でもS-ニトロシル化は認められていなかった。また、555個はこれまでニューロンでは同定されていなかったS-ニトロシル化の標的である。S-ニトロシル化の部位は、標的の59%で特定されており、これらの部位の33%で単一のリジンを含むモチーフが検出された。また、HDAC2およびメチル‐CpG結合タンパク質3(MBD3)のS-ニトロシル化の促進にはリジンモチーフが必要であった。さらに、培養液中の皮質ニューロンの樹状突起発生には、ヒストン結合タンパク質RBBP7のS-ニトロシル化が必要であった。これらの結果から、ニューロン内のS-ニトロシル化核タンパク質の特性が解明され、NOシグナル伝達の他の標的と共有される可能性のあるS-ニトロシル化モチーフが特定された。

Citation: J. G. Smith, S. G. Aldous, C. Andreassi, G. Cuda, M. Gaspari, A. Riccio, Proteomic analysis of S-nitrosylated nuclear proteins in rat cortical neurons. Sci. Signal. 11, eaar3396 (2018)

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