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マクロファージにおけるMerTKシグナル伝達は、CaMKII活性を抑制することにより、炎症収束メディエータの合成を促進する

MerTK signaling in macrophages promotes the synthesis of inflammation resolution mediators by suppressing CaMKII activity

Research Article

Sci. Signal. 25 Sep 2018:
Vol. 11, Issue 549, eaar3721
DOI: 10.1126/scisignal.aar3721

Bishuang Cai1,*, Canan Kasikara1, Amanda C. Doran1, Rajasekhar Ramakrishnan2, Raymond B. Birge3, and Ira Tabas1,*

1 Departments of Medicine, Pathology and Cell Biology, and Physiology, Columbia University, New York, NY 10032, USA.
2 Department of Pediatrics, Columbia University, New York, NY 10032, USA.
3 Department of Microbiology, Biochemistry and Molecular Genetics, Rutgers University, New Jersey Medical School Cancer Center, Newark, NJ 07103, USA.

* Corresponding author. Email: bc2586@columbia.edu (B.C.); iat1@columbia.edu (I.T.)

要約

炎症収束は過剰炎症を相殺し、損傷後の組織ホメオスタシスを回復させる。収束不全は多数の慢性炎症性疾患の病理に寄与している。収束は、リポキシゲナーゼ(LOX)酵素によって長鎖脂肪酸から生じる内因性の特殊な収束促進性メディエータ(SPM)によって媒介される。5-LOXは、SPMの2つのクラスであるリポキシン及びレゾルビンの生合成に重要な役割を果たしている。SPMの生合成には非リン酸化5-LOXの細胞質局在化が必須である。一方、リン酸化5-LOXの核局在化は炎症性のロイコトリエンの産生を促進する。われわれは、以前、マクロファージ上のエフェロサイトーシス受容体であるMerTKが、非リン酸化細胞質5-LOX量を増加させることによりSPMの生合成を促進することを示した。今回は、ヒトマクロファージ内のMerTKの活性化によって、ERKの媒介する筋小胞体/小胞体カルシウムATPアーゼ2(SERCA2)コード遺伝子の発現が誘発され、その結果サイトゾルCa2+濃度が減少し、カルシウム/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII(CaMKII)の活性化が抑制されることを示す。このような抑制により、次にマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)p38およびキナーゼMK2の活性化が抑制され、その結果、非リン酸化細胞質型5-LOXの量が増加し、SPMの生合成が亢進した。マクロファージ中のMerTK活性化により収束が促進される炎症状況を表しているザイモザン誘発腹膜炎モデルにおいて、ERK活性化の阻害は収束を遅延させ、組織滲出液中の好中球数の増加及びSPM量の減少という特徴が認められた。これらの知見は、MerTKシグナル伝達が5-LOXによるSPM生合成を誘発する機序の理解に寄与し、収束不良によって疾患進行が促進している状況において、炎症収束を強化する治療戦略を示唆している。

Citation: B. Cai, C. Kasikara, A. C. Doran, R. Ramakrishnan, R. B. Birge, I. Tabas, MerTK signaling in macrophages promotes the synthesis of inflammation resolution mediators by suppressing CaMKII activity. Sci. Signal. 11, eaar3721 (2018).

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