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IL-17はRNA結合タンパク質Arid5aを介して複数の自己強化型フィードフォワード機構を統合する

IL-17 integrates multiple self-reinforcing, feed-forward mechanisms through the RNA binding protein Arid5a

Research Article

Sci. Signal. 09 Oct 2018:
Vol. 11, Issue 551, eaat4617
DOI: 10.1126/scisignal.aat4617

Nilesh Amatya1, Erin E. Childs1, J. Agustin Cruz1, Felix E. Y. Aggor1, Abhishek V. Garg1, Andrea J. Berman2, Johann E. Gudjonsson3, Ulus Atasoy4, and Sarah L. Gaffen1,*

1 Division of Rheumatology and Clinical Immunology, Department of Medicine, University of Pittsburgh, Pittsburgh, PA 15261, USA.
2 Department of Biological Sciences, University of Pittsburgh, Pittsburgh, PA 15261, USA.
3 Department of Dermatology, Taubman Center, University of Michigan, Ann Arbor, MI 48109, USA.
4 Division of Allergy and Immunology, University of Michigan, Ann Arbor, MI 48109, USA.

* Corresponding author. Email: sarah.gaffen@pitt.edu

要約

インターロイキン-17A(IL-17A)は、真菌性病原体に対する免疫を刺激するだけでなく、自己免疫病態にも関与する。IL-17は、実験的組織培養においては、転写を穏やかに活性化させるのみである。しかしIL-17は、標的mRNAの発現を増強する転写後事象を制御する。今回われわれは、RNA結合タンパク質(RBP)Arid5a(ATリッチインタラクティブドメイン含有タンパク質5a)が、mRNAの転写後制御を介して、複数のIL-17誘導型シグナル伝達経路を統合することを示した。IL-17はArid5aの発現を誘導し、Arid5aはアダプターTRAF2に動員された。Arid5aは、3′非翻訳領域への結合によりIL-17誘導性のサイトカイン転写物を安定化させ、さらに、エンドリボヌクレアーゼMCPIP1(Regnase-1)に仲介されるmRNA分解を妨げた。Arid5aは、真核生物翻訳開始複合体と誘導的に結合し、転写因子(TF)IκBζ(Nfkbiz)およびC/EBPβ(Cebpb)の翻訳を促進した。これらのTFが続いて、IL-17依存性プロモーターをトランス活性化した。これらのデータを総合すると、Arid5aはフィードフォワード型の増幅ループを統合しており、このループは、mRNAの安定性と翻訳を制御することによって、IL-17シグナル伝達を促進することがわかった。

Citation: N. Amatya, E. E. Childs, J. A. Cruz, F. E. Y. Aggor, A. V. Garg, A. J. Berman, J. E. Gudjonsson, U. Atasoy, S. L. Gaffen, IL-17 integrates multiple self-reinforcing, feed-forward mechanisms through the RNA binding protein Arid5a. Sci. Signal. 11, eaat4617 (2018).

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2018年10月9日号

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