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CrKアダプタータンパク質はインテグリンLFA-1によって誘導されるアクチン依存性T細胞移動及びメカノセンシングを媒介する

Crk adaptor proteins mediate actin-dependent T cell migration and mechanosensing induced by the integrin LFA-1

Research Article

Sci. Signal. 11 Dec 2018:
Vol. 11, Issue 560, eaat3178
DOI: 10.1126/scisignal.aat3178

Nathan H. Roy1,2, Joanna L. MacKay3, Tanner F. Robertson1,2, Daniel A. Hammer3,4, and Janis K. Burkhardt1,2,*

1 Department of Pathology and Laboratory Medicine, Children's Hospital of Philadelphia Research Institute, Philadelphia, PA, USA.
2 Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA, USA.
3 Department of Bioengineering, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA, USA.
4 Department of Chemical and Biomolecular Engineering, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA, USA.

* Corresponding author. Email: jburkhar@pennmedicine.upenn.edu

要約

T細胞が炎症細胞に侵入するためには、T細胞が内皮細胞にしっかりと接着して伸展し、内皮細胞バリアを通過して移動する必要がある。これらの事象は「アウトサイドイン」シグナルに依存しており、このシグナルを介して、関与するインテグリンが細胞骨格再構築を指示する。われわれはこのプロセスを媒介する分子事象を検討し、アダプタータンパク質Crkの発現を欠くマウス由来のT細胞は、インテグリンであるリンパ球機能関連抗原1(LFA-1)によって誘導される表現型、すなわち、アクチン重合、先導端形成及び二次元の細胞移動に欠陥があることを明らかにした。Crkタンパク質は、LFA-1シグナル伝達によって誘導されるE3ユビキチンリガーゼc-Cblのリン酸化及びその後のホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)サブユニットp85との相互作用の必須メディエーターであり、PI3K活性及び細胞骨格リモデリングを促進する。また、Crkタンパク質は、T細胞が、細胞伸展の変化及び力感受性タンパク質CasLのリン酸化の違いによって測定される基質の剛性の変化に反応する際にも必要であることが明らかになった。これらの結果から、Crkタンパク質がLFA-1シグナルとアクチンリモデリングをつなぐ主要な媒体であることが明らかになり、T細胞が基質の剛性を感知し応答するメカニズムに関する洞察を得ることができた。

Citation: N. H. Roy, J. L. MacKay, T. F. Robertson, D. A. Hammer, J. K. Burkhardt, Crk adaptor proteins mediate actin-dependent T cell migration and mechanosensing induced by the integrin LFA-1. Sci. Signal. 11, eaat3178 (2018)

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英語原文を見る

2018年12月11日号

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