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ケモカイン分泌を制御する
Controlling chemokine secretion
Sci. Signal. 18 Dec 2018:
Vol. 11, Issue 561, eaau2215
DOI: 10.1126/scisignal.aau2215
Erin R. Williams
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA
E. Plesch, C.-C. Chen, E. Butz, A. S. Rosato, E. K. Krogsaeter, H. Yinan, K. Bartel, M. Keller, D. Robaa, D. Teupser,L. M. Holdt, A. M. Vollmar, W. Sippl, R. Puertollano, D. Medina, M. Biel, C. Wahl-Schott, F. Bracher, C. Grimm, Selective agonist of TRPML2 reveals direct role in chemokine release from innate immune cells. eLife 7,e39720 (2018).
Google Scholar
A. Galione, L. C. Davis, Revealing the secrets of secretion. eLife 7, e43512 (2018).
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エンドソーム上のTRPML2のイオンチャネル活性を活性化すると、マクロファージによるサイトカイン分泌が促進される。
要約
マクロファージは、免疫応答の調整に重要なサイトカインとケモカインを分泌する。マクロファージによるケモカインCCL2の放出と、マウスにおける細菌が感染した組織へのマクロファージ遊走には、一過性受容器電位カチオンチャネルのムコリピンサブファミリーメンバー2(TRPML2)の発現が必要である。TRPML2がマクロファージ機能を調節する仕組みをよりよく理解するために、Pleschらは、TRPML2を選択的に活性化し、関連するチャネルTRPML1またはTRPML3を活性化しない化合物を開発した(GalioneとDavisの解説記事参照)。同定された化合物の特異性は、3つのTRPMLファミリーメンバーのうち1つを発現する細胞から分離されたエンドソーム上のイオン流束のパッチクランプ測定によって検証された。細胞を細菌由来の化合物であるリポ多糖(LPS)で処理するとTRPML2存在量が増加し、この処理をした後にのみ、TRPML2選択的アゴニストは骨髄由来および肺胞マクロファージのエンドリソソーム上のイオン流束を促進した。さらに、小胞内pHが酸性であるとTRPML2活性が低下する一方、TRPML1活性が上昇することが見出された。TRPML1またはTRPML2との複合体としてこのアゴニストの分子モデリングを行うことにより、接触残基候補が同定され、G425A変異によって、TRPML2選択的アゴニストの作用が消失した。TRPML2を介するイオン流束をアゴニストによって活性化すると、マクロファージによって分泌されるCCL2量が増加し、細胞膜からのトランスフェリン受容体除去が促進されたことから、エンドソームリサイクリングの増加が示唆される。一方、このTRPML2アゴニストは、リソソームからの排出、ヘキソサミニダーゼ放出、細胞表面LAMP1量の一般的なマーカーに対して影響を及ぼさなかった。以上のデータから、初期およびリサイクリングエンドソーム上のTRPML2を介するイオン流束が、この細胞内コンパートメントを介するマクロファージによるCCL2排出に重要である可能性が示唆される。