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全3つのIP3受容体アイソフォームが類似した特性を示すCa2+パフを生成する

All three IP3 receptor isoforms generate Ca2+ puffs that display similar characteristics

Research Article

Sci. Signal. 18 Dec 2018:
Vol. 11, Issue 561, eaau0344
DOI: 10.1126/scisignal.aau0344

Jeffrey T. Lock1,*, Kamil J. Alzayady2, David I. Yule2, and Ian Parker1,3

1 Department of Neurobiology and Behavior, University of California, Irvine, Irvine, CA 92697, USA.
2 Department of Pharmacology and Physiology, School of Medicine and Dentistry, University of Rochester Medical Center, 601 Elmwood Avenue, Box 711, Rochester, NY 14642, USA.
3 Department of Physiology and Biophysics, University of California, Irvine, Irvine, CA 92697, USA.

* Corresponding author. Email: lockj@uci.edu

要約

イノシトール1,4,5-三リン酸(IP3)はIP3受容体(IP3R)を介したCa2+放出を誘発し、クラスター化したIP3Rの協調的開口により生じる局所的なCa2+パフと、細胞全体に及ぶCa2+波の両方を生成する。単一チャネルの解像度でCa2+パフを画像化することで、無傷細胞における内因性IP3Rの局在化および特性に関する情報が得られたが、細胞は構造的および機能的に異なる3つのアイソフォームのIP3Rを様々な割合で発現していることから、その解釈は複雑なものであった。本稿でわれわれは、IP3Rの1、2または3型を選択的に発現するようCRISPR-Cas9技術を用いて作製したHEK-293細胞株において、TIRFおよび光シート顕微鏡を用いてCa2+パフを画像化した。全3つの細胞株におけるIP3アナログi-IP3の光放出は、平均振幅、時間的特性および空間的広がりが概ね類似したパフを誘発した。さらに、単一チャネルによるCa2+流入はアイソフォーム間で類似しており、このことは、異なるIP3Rアイソフォームのクラスターは同等数の有効チャネルを含んでいることを示唆していた。われわれの結果は、全3つのIP3Rアイソフォームは、クラスター化して局所的なCa2+パフを生成すること、またin vitro電気生理学試験では特性が異なるという所見が得られていることに反して、無傷細胞では類似したコンダクタンスおよび開閉動態を示すことを明らかにした。

Citation: J. T. Lock, K. J. Alzayady, D. I. Yule, I. Parker, All three IP3 receptor isoforms generate Ca2+ puffs that display similar characteristics. Sci. Signal. 11, eaau0344 (2018)

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