商品詳細 「OxiSelect? タンパク質カルボニル化ELISA アッセイ」
対象商品: STA-310
- 【01】 "Spectrophotometric" (品番:STA-315) フォーマットに比べて Protein Carbonyl ELISA kit (品番:STA-310) を使用する利点はありますか?
- 【02】 どのようにサンプルを調製すればよいですか?
- 【03】 シグナルを増強させるために、コートタンパク質の量を増やすことはできますか?
- 【04】 サンプルのタンパク質量を変化させることはできますか?
- 【05】 複数のサンプルを持っていますが、全てのタンパク質の濃度を決定しなければなりませんか?
- 【06】 血液サンプルをヘパリンやEDTAを使用して調製することはできますか?
- 【07】 尿サンプルはこのキットに適合しますか?
- 【08】 核酸の除去はどのような場合に必要ですか?
- 【09】 核酸を除くために使用する PEI と Streptomycin を Benzonase に替えることは可能ですか?
- 【10】 種特異性はありますか?
- 【11】 37℃で2時間インキュベーションと4℃でオーバーナイトインキュベーションではどちらが良いですか?
- 【12】 どのようなタイミングで停止液を加えたら良いですか?
- 【13】 どのようにスタンダードカーブを作成し、結果を計算したら良いですか?
- 【14】 スタンダードカーブのOD値が低い濃度でも高いのですが・・・?
- 【15】 サンプルの値がスタンダードカーブより高くなってしまった場合、どうすればよいですか?
【01】 "Spectrophotometric" (品番:STA-315) フォーマットに比べて Protein Carbonyl ELISA kit (品番:STA-310) を使用する利点はありますか?
CBL 社の Protein Carbonyl ELISA キット (品番:STA-310) は、Spectrophotometric assay よりも 5-10 倍感度が良く、Spectrophotometric フォーマットでは 250μg のタンパク質がアッセイあたり必要であるのに対し、1 アッセイあたり 1μg のみ必要です。ELISA キットでは一度にたくさん測定できるのに対し、Spectrophotometric キットは、個々のチューブでアッセイします。Spectrophotometric キットフォーマットは、ELISA プレートリーダーをお持ちでない研究室で使用できるようにデザインされています。
Protein carbonyl ELISA は、プレートにコートするために使用するタンパク質を10 μg/mL に希釈する必要があります。細胞または組織ライセートを調製する場合、Triton X-100、NP-40、Igepal CA-630、SDS のような界面活性剤は、プレートへのタンパク質コートを妨げるため避けるべきです。CBL 社では、細胞または組織を、プロテイナーゼインヒビターを含む PBS に再懸濁し、オプションとして 0.005% ジブチルヒドロキシトルエン(一般的な抗酸化剤、Sigma社; メタノール BHT 5% メタノールストックを調製)を加え、ホモジネーションまたはソニケーションに進みます。12,000×g で10分間遠心し、上清をライセートとして回収します。タンパク質濃度は BSA や Bradford などのタンパク質アッセイで決定し、10μg/mL に 1×PBS で希釈し、プレートにコートします。
コートするタンパク質量を増やしても、シグナルは増強されません。全てのウェルに 10 μg/mL のタンパク質を 100 μL(1μg/well)加え、コートしてください。この濃度は、最大量のカルボニルタンパク質がキャプチャーされるように、すでにウェルに対するタンパク質結合能を上回る過剰な濃度となっております。そのため、更に多くのタンパク質を加えても、より多くのカルボニルタンパク質がキャプチャーされるわけではなく、シグナルも増強されません。
すべてのサンプルは 10μg/mL でなくてはなりません。なぜなら、このアッセイは抗体ではなくてサンプルを抗原としてプレートにコートする indirect ELISA だからです。すべてのサンプルが同じ濃度であることが重要です。まず、ご自身のサンプルのタンパク質濃度を BSA や Bradford などのアッセイで測定して濃度を決定し、サンプルを 1×PBS で 10μg/mL になるように希釈します。
すべてのサンプル濃度を測定するのは現実的でありませんので、いくつかのサンプルを測定し、その平均を全てのサンプルの濃度として使用することができます。
CBL 社の Carbonyl ELISA は、カルボニル修飾されたどんなタンパク質(ライセート、血清、血漿など)に対しても使用することができます。血漿を回収する際、ヘパリンまたは EDTA どちらも使用することができます。どちらもアッセイに干渉しません。
はい。この ELISA は尿サンプルに使用することができます。BCA または Bradford によるタンパク質アッセイを最初に行い、PBS で 10μg/mL に希釈することが必要です。
大部分のサンプルにおいて、核酸は除く必要はありません。必要なのは、細胞ライセートを用いる場合です。核酸は、DNPH 試薬と反応するケトグループを含んでおり、偽シグナルをもたらします。このステップが必要かどうか不確かな場合、代表のサンプルで沈殿したものとしていないものを作製し、このステップが必要か決定してください。核酸を除くために、ストレプトマイシン硫酸塩または PEI を終濃度 1% または 0.5% となるようそれぞれ加え、30分間室温でインキュベーションし、核酸の沈殿は 6000×g、4℃で10分間遠心分離することで、取り除きます。
操作の過程で追加のタンパク質が加えられない限り、どんな DNA/RNA 除去方法も用いることができます。添加されるタンパク質はアッセイに影響を与えるカルボニルグループを含んでいる可能性があります。
長くゆっくりしたインキュベーションは常に好まれますが、必須ではありません。37℃で2時間インキュベーションでも良い結果は得られるでしょう。インキュベーション時間は、ご自身が一定の時間を選択している限り、アッセイ間の変動性に影響を与えません。
一般的な ELISA において適切なインキュベーション時間は変化するため、インキュベーション時間に幅を持たせています。TMB 基質を添加次第、青色に徐々に変化し、停止液を加えた後は黄色に変わります。サンプルのインキュベーション時間が長すぎると、飽和してしまいます。停止液をいつ加えるかを決定するために、スタンダードカーブに注目し、最も高い濃度のスタンダードのウェルに鮮やかな青色に変わり、最も低い濃度のスタンダードのウェルがわずかに青色になるときに焦点を合わせます。良い濃度勾配が見られたら停止液を加え、直ちにプレートを読みます。停止液を全てのウェルに同じタイミング加えるためにマルチチャンネルピペッターを用い、サンプル間に違いが出ないようにすることが重要です。
スタンダードカーブを用いて濃度を決定するのに最も適した方法は、4-パラメーターカーブフィッティングプログラムを用いることです。しかし、ソフトウェアがなければエクセルでも作成することができます。スタンダードカーブをグラフに描き、直線のグラフを作成してください。典型的な ELISA のスタンダードカーブは、直線ではありませんが、サンプルの値が範囲内に収まる限りカーブの上と下の値を除くことで直線のスタンダードカーブを作成することができます。スタンダードカーブの中間が最も感度が良く、サンプルを定量するために使用するのに適しています。
高いシグナルとデベロップメント時間が速いのは、洗浄ステップで除かれなかった余分な DNPH によるものかもしれません。それゆえに、ステップ 5 の洗浄ステップで DNPH を除くことが非常に重要です。
"1 ウェルあたり 250μL の 1×PBS/Ethanol(1:1,v/v) を加え、オービタルシェーカー上で 5 分間インキュベートします。洗浄を 5 回繰り返し、洗浄ごとにアスピレートします。最後の洗浄後、ペーパータオルまたは吸収パッドの上で余分な水分をタップして除きます。 25μL の 1×PBS で 2 回洗浄します。"
デベロップメント時間を延ばすために、完全な洗浄を行い、スタンダードカーブを繰り返しアッセイすることをお奨めします。他のオプションとしては、ELISA に加える抗体の量を少なくし、反応をゆっくりにします。例えば、1:1000 で一次抗体と二次抗体を希釈していたら、代わりに 1:2000 で希釈します。