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Q&A

記事ID : 12638

FAQ : セルバイオラボ(Cell Biolabs)社 アデノ随伴ウイルス(AAV)発現/パッケージングシステム

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【01】 バイシストロニックな発現システムとは?

バイシストロニックベクターは翻訳のコントロールとして下流に GFP などの遺伝子を含んでいる IRES 要素を含みます。これは、GFP mRNA の翻訳が MCS(一般的に Cap 依存の翻訳である)へ導入された遺伝子の翻訳に依存しないことを意味します。ご自身のタンパク質と GFP または 抗生物質耐性遺伝子の別々の発現を可能にします。 IRES の下流側の発現は、通常弱くなります。

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【02】 どの AAV セロタイプを選択すればよいですか?

ご自身のターゲット細胞に対する最適なセロタイプは、文献を参考に決定して下さい。または、下記の文献中の表(Table 3)を参考に決定して下さい。CBL社では、ネイティブ AAV セロタイプ 1-6 と、スタンフォード大学から認可を受けた AAV-DJ と AAV-DJ/8 を販売しています。AAV-DJ/8 は、in vivo の脳と心臓組織での感染効率が良く、AAV/DJ は、in vitro のトランスダクションにおいて優れています。下記の文献をご参照下さい。

[文献情報]
Grimm D, Lee JS, Wang L, Desai T, Akache B, Storm TA, Kay MA.
In vitro and in vivo gene therapy vector evolution via multispecies interbreeding and retargeting of adeno-associated viruses.
J. Virol. June 2008 vol. 82 no. 12 5887-5911

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【03】 AAV のパッケージングに必要なベクターは?

AAV ヘルパーフリーシステムを使用した AAV のパッケージングは、発現ベクター、pHelper ベクターとセロタイプ特異的な rep-cap ベクターが必要です。

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【04】 AAV パッケージングプラスミドを増幅するための推奨のバクテリアは?

CBL社の AAV ベクターは、E.coli コンピテントセルを使用して増幅することができます。発現ベクターの増幅のために、CBL社では Life technology 社の Stbl3 コンピテントセルを推奨しています。Stbl3 は、ITR による組換えが起こることを最小限にします。Stbl3 細胞を使用しない場合、プラスミドを切断し、正しいサイズを維持できているか確認して下さい。パッケージングプラスミドに関しては、ITR を含まないため組換えの心配はありません。これらのプラスミドは通常の方法で増幅可能です。

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【05】 トランスフェクションに用いるトータル DNA 量は? またその比は?

トランスフェクション試薬の製造元のプロトコルに従って使用する DNA 量を決定して下さい。ベクターの比は、1:1:1 で行って下さい。

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【06】 カルシウムリン酸トランスフェクション法は推奨しますか?

カルシウムリン酸法は、AAV 産生をスケールアップする際、コストを最小限に抑えたい場合に使用されるかもしれません。カルシウムリン酸トランスフェクションは、pH の変化が致命的で、pH が 0.05 異なる場合でもトランスフェクションに影響するので難しいと考えられます。CBL社では、pH の変化を受けにくい HBS バッファーの使用をお奨めします。

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【07】 HEK293 細胞は、ウイルスのパッケージングに使用できますか?

はい。HEK293 細胞は、AAV-DJ のパッケージに使用できます。全ての 293 細胞は、HEK 細胞の E1 形質転換体で、全ての 293 細胞は、発現ベクター,pHelper ベクターと rep-cap ベクターをコトランスフェクションすることで AAV のパッケージに使用できます。多くの 293 細胞はよく接着せず、コンフルエントに達すると簡単に剥がれてしまい AAV の収率が低くなります。もし問題があれば、CBL社の 293 細胞株(品番:AAV-100)の使用をお奨めします。この細胞は、HEK293 細胞から派生した細胞で、ウイルスアプリケーションを改善するための平べったい形状で、より接着する細胞が選抜されました。

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【08】 AAV 発現ベクターは一過性のトランスフェクションに使用できますか?

AAV 発現ベクターは、パッケージングベクターなしで遺伝子の発現を測定するために、細胞にトランスフェクションすることができます。これは一過性のトランスフェクションで、安定ではありませんが、目的通りに構築できているかを確認することができます。

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【09】 細胞は、トランスフェクション後、いつ回収すればよいですか?

48-72時間の間に回収することをお奨めします。なぜなら、大部分のウイルスが最初の48時間の間に作られ、それから72時間までに作られるウイルスはごく少量だからです。

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【10】 トランスフェクションから48時間後になぜ細胞の形態の変化が見られないのですか?

ウイルスの生産上で形態の変化が見られないのは通常のことです。GFP 発現プラスミドのトランスフェクションによりトランスフェクション効率が確認できますが、細胞の形態が著しく変化するものではありません。

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【11】 リコンビナント AAV を回収する際、培養培地を除き、細胞を溶解し、ウイルスを回収します。しかし、レンチウイルスの場合は、細胞を除き、培養培地を濃縮します。AAV の場合も培地を遠心し濃縮すれば、細胞中の AAV の追加分として利用できますか?

レトロウイルス,レンチウイルスの成熟は、アデノウイルスや AAV とは異なります。レトロウイルスおよびレンチウイルスは、膜出芽メカニズムで成熟します。従って条件培地から回収します。アデノウイルスや AAV は、細胞内でパッケージおよび成熟するので、細胞を溶解し、凍結融解を繰り返し、ウイルスを放出させます。ごくわずかなアデノウイルスおよび AAV しか培地中に存在しません。それ故に、そのようなわずかな量を回収する必要はありません。しかし、培地を捨てる前に、細胞が溶解していないことを顕微鏡で確認することは有効です。

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【12】 典型的な AAV のタイターは?

最適なトランスフェクション条件での典型的なタイターは、15cm ディッシュ1枚から 1-2×1011 genome copies (GC)、または、1011-1012 GC/mL(各細胞あたり 2×104 - 1×105 ウイルス粒子)です。この値は、インサートのサイズ、パッケージング細胞やトランスフェクション効率などが影響し、変化します。

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【13】 AAV のタイターを改善させるにはどのようにしたら良いですか?

タイターを改善させるためのいくつかの提案があります。

  1. GFP コントロールウイルスを用い、トランスフェクション効率をモニターし、ウイルスの産生を確認することを推奨します。トランスフェクション効率が2日後に少なくとも 80% を達成するために、条件を最適化する必要があるかもしれません。
  2. 継代数の少ない、健康な 293 細胞を使用することが重要です。
  3. 形質転換後の ITRs による組換えは、プラスミドのサイズを減少させます。Life Technologies社の Stbl3 コンピテントセルをプラスミドの増幅に用い、組換えを最小限に抑えることをお奨めします。Stbl3 細胞が増幅に使用できない場合、制限酵素で処理し、プラスミドが適切なサイズであることを泳動し確認して下さい。
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