商品詳細 「CytoSelect? 96-well 悪性形質転換アッセイ〜軟寒天コロニー形成試験キット〜」
対象商品: CBA-130
- 【01】 培地に抗生物質を入れることはできますか?
- 【02】 インキュベーションの間、培地は交換する必要がありますか?
- 【03】 調製した 1.2% 寒天溶液と 2× DMEM / 20% FBS は保存できますか?
- 【04】 このアッセイはドラッグスクリーニングに使用できますか?
- 【05】 どのようにテストする化合物を加えればよいですか?
- 【06】 細胞がウェルの底で層を形成しているのですが...?
- 【07】 ベース層を注ぎ、それを4℃でおいておくことができますか?
- 【08】 検出はどのようにするのですか?
- 【09】 CyQuant は生細胞と死細胞を区別しますか?
- 【10】 細胞は軟寒天中にある状態でトランスフェクションすることができますか?
- 【11】 CyQuant 染色液を加える前にサンプルを凍結することができますか?
- 【12】 細胞染色の推奨のプロトコルは?
- 【13】 どのように IC50 値を決定するのですか?
- 【14】 実験の終わりをどのように知るのですか?
抗生物質はこのアッセイで使用する培地に使用することができます。また、細胞寒天層を通して拡散することが可能です。培地の濃度が 2× である限り、どんな培地でもアッセイに用いることができます。
細胞は6-8日間インキュベーションしモニタリングされるため、もし黄色みを帯びてきたら培地の交換はするべきです。交換する培地は、1× の濃度をご使用下さい。
調製した 1.2% 寒天溶液と 2× DMEM / 20% FBS は滅菌状態である限り4℃で保存できます。濃度が変わってしまいますので寒天溶液に熱をかける回数は最小限にして下さい。
品番: CBA-150 は、化学的感受性テストに用いるようにデザインされていますが、品番: CBA-130 もその目的で使用することができます。品番: CBA-130 を用いることの利点は、より感度が良くわずか500個の細胞を検出できることです。
セクションIII, ステップ1 (マニュアルp.5) において、100 μL の培地をオーバーレイする際、加えた化合物の濃度を示す場合に希釈を考慮したいと思うでしょう。50μL のベース層に 75μL の細胞層を加え、トータル量 225μL からスタートします。それゆえに、化合物の適切な濃度は、225μL 中で1×の終濃度になるようにして下さい。
もし細胞がベース層の下部に集まり、ウェルの底で生育している場合、ベース層が緩い可能性があります。この現象を避けるために・・・
- ベース総が固化したら細胞寒天層を直ちに加えて下さい。
- 細胞層をやさしく加えます。そうしないと、ベース層とウェルの壁の間の強固な相互作用を、細胞層を加える力で乱してしまい、細胞がベース層の底に入って通常の2D培養が形成されてしまうことを許してしまいます。
Cell Biolabs(セルバイオラボ/CBL)社ではベース層を4℃で長時間インキュベートすることはお奨めしておりません。なぜならゲルが収縮し、ウェルの周りにスペースができ、細胞が下に落ちてしまうからです。これでは足場非依存性増殖というよりは通常の2D培養になってしまいます。
軟寒天アッセイは CyQuant 染色液を用いて細胞を検出します。CyQuant 染色液は緑色の蛍光染色液で核酸に結合すると強い蛍光を生じます。細胞形質転換アッセイにおいては、この染色液は細胞を溶解し核酸がリリースされた後で添加されます。わずか 500 細胞程度から検出することができ、顕微鏡下で可視化する前にコロニーを検出することができます。この低い検出限界は、より少ない細胞の検出を可能とし、インキュベーション時間を著しく減少させることができます。従来の方法では、コロニーは手作業で検出するため多く必要で、長いインキュベーション時間を必要とします。
CyQuant は、生細胞と死細胞を識別できません。このアッセイは、ウェル間で一貫した一定の細胞数からスタートし、これをバックグラウンドの数として考えることができます。軟寒天中で生育できない細胞または化合物によって阻害された細胞は、これ以上のシグナルを産生することは期待されません。バックグラウンドレベルよりもシグナルが高い場合、細胞が生育していると考えられます。細胞数を同定するために、細胞数に応じたカーブを取ることやサンプル間で相対値を比較することができます。
細胞が軟寒天中に存在するときに、トランスフェクションを行うのは不可能です。なぜなら半固体のマトリックスであるため DNA は細胞に届けられないからです。CBL 社の推奨は、スタンダードなディッシュ上で細胞にトランスフェクションを行い、DNA が細胞中に入るべき時間である24時間後に細胞を回収します。それから細胞を軟寒天に加え、インキュベーションをスタートさせて下さい。
アッセイの一部ではありませんが、コロニーは INT で染色し可視化することができます。INT で染色されたコロニーは、CyQuant を用いて定量することはできません。下記が INT 染色のプロトコルです。
- 0.1% p-iodonitro tetrazolium violet (INT) / 1×PBS 溶液を調製します。例えば、100mg の INT(Sigma社 品番:8377) に 100mL の PBS を加えます。
- 細胞コロニーを含んだ軟寒天の上の細胞培地を注意深くアスピレートし、INT 染色液を加えます(24ウェルプレート1ウェルあたり 1mL)。
- 37℃で16時間インキュベートします。
- 顕微鏡下でコロニーを試験する前に、INT 染色液を PBS に置換します。
セルバイオラボ社の細胞形質転換アッセイにおける細胞の生育は、顕微鏡下でモニタリングするべきです。検出限界が低いとしても、信頼できて一貫性のある結果を与えるのに十分な細胞を望むでしょう。終点を知るために、コロニー形成が示す、播種したときと比較した細胞数の増加と細胞の形態の変化を観察します。細胞が生育しすぎることや、細胞が生育する余地がなくなってしまうのを避けたいでしょう。それぞれの細胞株は異なる最適なインキュベーション時間があり、例えば、大部分のがん細胞は7日必要ですが、皮膚メラノーマなどのアグレッシブな細胞は5日しか必要ではありません。一方で、生育の遅い脳腫瘍細胞は10日かかるかもしれません。